「Firefox 52」正式版がリリース、WebAssemblyへの対応がスタートしセキュリティ機能も向上
by Anders Nicolaysen
Firefox 52の正式版がリリースされました。Firefox 52ではハイパフォーマンスのウェブを実現する「WebAssembly」のサポートが開始され、Firefox Syncを使って、ある端末から別の端末へタブを送って開けるようになりました。また、セキュリティ面の機能が向上しており、安全でないHTTP サイトによる「secure」属性付きCookieの設定を禁止する「Strict Secure Cookies」仕様を実装するほか、ログインフォームを含む安全でないHTTP ページでの警告が追加されました。一方で、Googleハングアウトが動作しなくなるという問題は未解決のままです。
Firefox をダウンロード — 自由なウェブブラウザー — Mozilla
https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/
Firefox 52.0 リリースノート
https://www.mozilla.jp/firefox/52.0/releasenotes/
iOS 版 Firefox — iPhone、iPad そして iPod touch で利用できるモバイル向けウェブブラウザー — Mozilla
https://www.mozilla.org/ja/firefox/ios/
Android 版 Firefox — モバイルウェブブラウザー — 柔軟なカスタマイズと、プライバシーを重視するブラウザ — Mozilla
https://www.mozilla.org/ja/firefox/android/
◆デスクトップ版のダウンロード
・Windows版
https://download.mozilla.org/?product=firefox-52.0&os=win&lang=ja
・Mac OS X版
https://download.mozilla.org/?product=firefox-52.0&os=osx&lang=ja-JP-mac
・Linux版
https://download.mozilla.org/?product=firefox-52.0&os=linux&lang=ja
◆Firefox 52デスクトップ版での変更点
○新機能
・WebAssembly への対応を追加しました。これは、プラグインを用いることなくネイティブに近いパフォーマンスをウェブベースのゲームやアプリ、ソフトウェアライブラリにもたらす新たな標準技術です。
・Wi-Fi アクセスポイントへの接続を簡単にするため、キャプティブポータルの自動判別を追加しました。キャプティブポータルでの認証を通じてインターネットへ接続する必要がある場合、Firefox が新しいタブでポータルのログインページを開くようメッセージを表示します。
・安全でない HTTP サイトによる「secure」属性付き Cookie の設定を禁止する Strict Secure Cookies 仕様を実装しました。場合によっては、安全でないサイトが同じベースドメインから発行された既存の「secure」な Cookie と同名の Cookie を設定することも禁止されます。
・ログインフォームを含む安全でない HTTP ページでの警告を追加しました。HTTPS を使用していないページ上でユーザー名やパスワード入力欄を選択すると、「この接続は安全ではありません」というメッセージが表示されます。
・タッチスクリーン搭載の Windows パソコン上で Firefox のマルチプロセスを有効化しました。
・Firefox Sync を使って、ある端末から別の端末へタブを送って開けるようにしました。
○修正点
・いくつかのセキュリティ問題 を修正しました。
・Windows 上で、以下のような、サードパーティ製キーボードレイアウトを用いた文字入力への対応を改善しました。
連鎖的修飾キーを備えたキーボードレイアウト
印刷不可キーあるいは修飾キーの連続による 2 文字以上の入力
修飾キーの連続で文字を構成できなかった場合の文字入力
○変更点
・Flash 以外のプラグインの Netscape Plugin API (NPAPI) 対応を廃止しました。Silverlight、Java、Acrobat などが使用できなくなります。
・以下のようにダウンロード関連のユーザー体験を改善しました。
ダウンロードが失敗した場合、ツールバーに通知を表示
最近のダウンロード項目へのクイックアクセスを 3 件から 5 件に変更
キャンセルと再開ボタンのサイズを拡大
・追跡者によるユーザーのフィンガープリンティング要素を減らすため、Battery Status API を削除しました。
・Windows 上でコンテンツの描画に Direct2D が使われていない場合、代わりに Skia を使用します。
・Windows XP および Windows Vista 上のFirefox ユーザーを延長サポート版 (ESR) へ移行しました。
・Mozilla の CA 証明書プログラムに含まれているルート証明書を最上位とする SHA-1 証明書に遭遇した場合、「信頼できない接続」エラーを表示します (これをユーザーが無視して接続することはできません)。ただし、手作業でインポートされたルート証明書を最上位とする SHA-1 証明書は引き続き許容されます。詳しくはMozilla セキュリティチームの SHA-1 廃止計画を参照してください。
○開発者
・CSS グリッドレイアウト を有効化しました。これはグラフィックデザインに新たな可能性の扉を開くものです。
・画面共有のセキュリティ を強化し、プレビュー表示を追加するとともにドメインホワイトリストを廃止しました。
・レスポンシブデザインモード を再設計し、各種端末の選択、ネットワーク制限などの機能を追加しました。
○未解決
・Google ハングアウトが一時的に動作しなくなっています。
なお、次期バージョンのFirefox 53は2017年4月18日にリリース予定です。
◆2017年3月8日 13:00 追記:
「Firefox Syncを使って、ある端末から別の端末へタブを送って開けるようにする」という方法は以下の手順で行います。まず、デスクトップ版のFirefoxに自分のFirefoxアカウントでログイン後、メニューから「同期タブ」を選択。
「今すぐ同期」をクリック
次にAndroid版のFirefoxに自分のFirefoxアカウントでログイン後、メニューから「設定」をタップ。
自分のFirefoxアカウント名をタップ。
「今すぐ同期」をタップ。
デスクトップ版のタブ上を右クリックするとメニューに「タブを端末に送る」が表示されるので、Android版Firefoxの名前を選択します。今回であれば「Firefox on Pixel」
するとAndroidで以下のような通知が表示され、タップするとタブにURLが表示されます。
また、「ログインフォームを含む安全でないHTTP ページでの警告を追加」については、「この接続は安全ではありません。ここに入力したログイン情報は漏えいする可能性があります。」という文章が表示されました。
そして、ファイルのダウンロードに失敗すると、メニューバーのダウンロードアイコンの右上に黄色いドットが表示されるようになります。
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