寝ない赤ちゃんの睡眠パターンを分析して大人と同じ体内時計を早く作るためのガイド
By Richard Anderson
生まれたばかりの新生児は、体内時計ができていないため昼夜の区別なく短い睡眠を繰り返す傾向があり、両親は赤ちゃんに何度も起こされてしまうことになります。そんな新生児の睡眠パターンや睡眠リズムなどの詳細を、赤ちゃんを持つお父さんやお母さんをサポートするParenting Scienceが多くの論文から分析し「サバイバルガイド」として公開しています。
Newborn sleep patterns: A survival guide
http://www.parentingscience.com/newborn-sleep.html
◆新生児の睡眠パターン
新生児は30分から4時間という睡眠を昼夜問わず繰り返し行います。大人の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのですが、新生児の睡眠は「静睡眠」と「動睡眠」に分けられ、その性質はレム睡眠やノンレム睡眠とは少し違うそうです。動睡眠は、浅い睡眠でまぶたがパチパチと動いたり、呼吸のリズムが一定ではなかったり、もぞもぞと動いたりする睡眠のことで、新生児はこの動睡眠の時間が長く、ちょっとした物音ですぐに起きてしまいます。
◆睡眠リズム
大人の睡眠は概日リズム、体内時計で管理されています。体内時計は25時間周期のため、本来であれば1時間ずつずれていく、つまり、眠たくなる時間が毎日1時間ずつ遅くなるのですが、朝に太陽光を浴びることで体内時計はリセットされ24時間という生活リズムを保っているとのこと。
By Joe St.Pierre
赤ちゃんの睡眠リズムは大人と違います。赤ちゃんがまだ母親のお腹の中にいるとき、母親が起きると赤ちゃんの心臓の鼓動は速くなり、眠ると心臓の鼓動は遅くなります。この現象は胎盤を介して供給される眠りを促すホルモンのメラトニンが原因で発生し、このメラトニンが赤ちゃんの体内時計をコントロールしています。
しかし、赤ちゃんは生まれた直後、自分でメラトニンを作ることができず、体内時計をうまく管理できません。では赤ちゃんの睡眠リズムはどうやってコントロールされているのかというと、「授乳」「消化」「空腹」の間隔で管理されているそうです。授乳は約3時間おきに行うため、赤ちゃんは数時間寝ては起きて授乳することを繰り返すとのこと。そして生後3~4カ月後になると、大人と同じような体内時計ができあがり、昼間は起きて夜は寝るという睡眠リズムが形成されます。
ただし、大人と同じ体内時計を形成する時期を早める方法があり、以下から確認可能です。
◆夜に刺激を与えない
赤ちゃんがおなかをすかして夜に起きても、できるだけ静かに授乳を行うこと。できれば、赤ちゃんが半分寝ているような状態で授乳するのがベストです。
By James Leocadi
◆赤ちゃんに朝と夜の光のパターンを覚えさせる
大人の人間は太陽光で体内時計をリセットします。赤ちゃんにも日中は光を浴びさせ、夜は暗くするという環境を与えることで、赤ちゃんが体内時計を形成するのが早まるそうです。また、日中にきちんと光を浴びさせれば、夜ぐっすり眠る傾向があるという研究もあります。
◆マッサージ
生後10日からマッサージを14日間受けさせた赤ちゃんは、マッサージを受けなかった赤ちゃんよりも大人と同じ睡眠パターンで眠る傾向が高いという研究があるそうです。マッサージを生後12週間にわたって受けた赤ちゃんは、眠りを促すホルモンであるメラトニンの夜間の分泌量が、マッサージを受けなかった赤ちゃんよりも多くなるとのこと。ただし、マッサージと、夜間におけるメラトニン分泌の関係性は明らかになっておらず、さらなる研究が必要とのこと。
By shira gal
◆母乳を与えるタイミング
母乳には体がメラトニンを作るのに必要なトリプトファンというアミノ酸の一種がふくまれており、赤ちゃんに夜寝かせる前に母乳を与えると、赤ちゃんが眠りに落ちるまでの時間を早めるという効果があります。
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