試食

ここでしか食べられないとれたて新鮮なメジカの新子やカツオ・ウツボのたたきなどを須崎市と中土佐町で食べてきました


「メジカ」とはマルソウダ(ソウダガツオ)のことで「新子」とは生まれて1年以内の稚魚のことを言います。すぐに鮮度が落ちていまい食べることができなくなるため、水揚げされる須崎市と中土佐町でしか食されず、時期も8月上旬から9月中旬までに限られるなど、場所と時期が限られる貴重な食材です。そのメジカの新子や、全国的にも有名なカツオのたたき、初めて食べるウツボ料理など、魚の町ならではの新鮮な魚たちを食べてきましたので、まとめてみました。

まずは、メジカの新子をはじめ水揚げされたばかりの魚を見に須崎市の魚市場にやってきました。ご当地キャラのしんじょう君の大きな看板が目印です。


午前9時半頃に到着すると程なく大音量のサイレンが鳴り響きました。魚市場の中ではセリが始まっています。


水揚げされた魚たちは、種類別に並べられていました。


メジカの新子はどの魚か訪ねたところ、こちらのかごにあると教えてもらいました。これらは全てがメジカではなく、右側1列だけがメジカで、左2列はシロス(ヒラソウダ)とのこと。


ぱっと見でどう違うのか分からないので、並べてもらいました。上がメジカ、下がシロスです。体の丸みや模様など見た目の違いはわずかですが、身に関してはシロスは一般の人が釣って持って帰っても食べられるが、メジカは持って帰る時間の間に鮮度が落ちて食べれなくなってしまうので、「釣っても海に戻すしかない」というくらい扱いが難しい魚だそうです。


そのまますぐに食べられると良いのですが、須崎では早い時間に食べることができるお店が見つからなかったので、隣の中土佐町にある「久礼大正町市場」に向かいます。


市場は50mほどの小さな市場ですが、鮮魚店や揚げ物を売るお店がずらっと並んでいました。


食堂では買った魚を持ち込んで調理してもらい、食べることができます。


買った魚をその場でさばいてもらえるそうなので注文してみることに。


メジカの新子があるか訪ねると「最後の1匹で小さいけど良い?」とのことでしたので、食べ比べとしてメジカの新子とシロスの新子両方注文してみました。すぐにさばき始めます。


まずは皮を剥がし……


あっという間に3枚におろされました。


血合いなど余分な部分を取り除いていくと……


きれいな身だけが残ります。


ひとくちサイズに切られ、お皿の上に盛りつけされた後、ユズやミカンに似た酢みかんの1種である「ぶしゅかん」の皮を擦って刺身の上にまぶしていきました。


これでお刺身が完成。ぶしゅかんが付いてきます。


食べ方を聞いたところ「ぶしゅかんをたっぷり絞ってください」とのことでしたので、思いっきり絞ります。


まずは、メジカの新子のお刺身から。食べてみると、身は繊細な感じで柔らかく、弾力があるというよりももちっとした食感です。このもちもち感はこれまでに食べた魚の刺身では経験したことのない感覚でした。ぶしゅかんは、酸味もすっぱ過ぎず、メジカの風味を残しつつみかんの香りをつけるというもので程よい感じです。


こちらはシロスの新子の刺身。このシロスの新子はメジカの新子ほど衝撃的ではないものの、もちっとした食感は感じられました。こちらもぶしゅかんとしょうゆにたっぷり漬けて食べるとおいしかったです。合わせて850円(税込)でしたが、その日の漁獲量によって値段はさまざまで時価となります。


再び須崎に戻り、道の駅「かわうその里すさき」にやってきました。


ここではカツオのたたきのわら焼きの実演を見る事ができます。いつ見られるかは決まっておらず「商品が無くなるタイミングで訪れるとよい」とのことなので、実演が見られるかどうかは運次第となります。


豪快に焼かれるカツオ。


1人前500円(税込)で食べることができるので注文してみました。


厚めに切られているカツオに粗塩がかけられています。ねぎ・玉ねぎ・ニンニクのスライスもあります。


まずは、ニンニクと合わせて食べてみます。カツオの身は柔らかく味はしっかりと感じられるものの、焼けたワラの香ばしい香りが薫製の効果を生んでおり、カツオの独特の癖が感じられなくなっています。


ニンニクさしみしょうゆのたれに漬けて食べてみたところ、カツオとしょうゆの相性の良さにさらにニンニクの香りとピリ辛さが加わって濃厚な味に。ご飯が欲しくなります。


翌日、須崎市で行われたご当地キャラまつりin須崎の後に、同市内にある「お食事処喜楽」へ、住所は「高知県須崎市南古市町2-9」です。


こちらのお店でもメジカの新子の刺身を注文、「予約でいっぱいなのでお刺身は1人前のみで終了となります」ということで、久礼大正町市場に続きここでも最後の1皿というラッキーなタイミングでの注文となりました。


まずは、ぶしゅかんを絞ります。


わさびを溶かした濃い口しょうゆも全て刺身にかけてひたひたに。


中土佐町と須崎市は隣同士なのですが、刺身の切り方に個性があり、須崎市では皮を剥がず残し、ぶつ切りとなっています。 刺身は市場で食べた時と同じく、もちっとした食感ですが、皮が付いている分、こちらのほうがかみ応えがあります。


刺身には、付け合わせとして大根などのツマが添えてあるのですが、こちらではリュウキュウという野菜を薄く切ったものが添えられていました。シャキシャキした食感で、しょうゆとぶしゅかんを吸わせてたべてもおいしいです。


カツオのたたきも注文、たたきの上にはミョウガがのせてあります。このミョウガは須崎市が日本一の販売額を誇る特産品です。カツオのたたきとねぎ・ニンニク・ミョウガと一緒に豪快に食べると、ミョウガのみずみずしくもシャキシャキとした食感とたたきの身の食感がうまく合わさり、よりおいしく食べられます。


メニューの中にウツボのからあげがありました。注文するも初めて食べるので恐る恐る待っていると……


ウツボのからあげが運ばれてきました。


皮が付いています。身は白身のようです。


塩を付けて食べてみたところ、身は白身魚そのもので癖などは全くなく、しかも新鮮ということもあってプリプリとした食感です。アンコウに近い感じで「コラーゲンも含まれている」とのこと、これは一度ネタで食べたら満足というゲテモノの類ではなく、別の機会でもメニューとして見かけたら注文したいと思えるものでした。なお、熱が通っていて皮が少し硬くなっているので、皮だけは少し食べにくい感じです。


癖がないということがわかったので、ウツボのたたきも食べてみます。


皮の模様がはっきりと見えます。身はほぼ火が通っていて、からあげと同じく癖のない食べやすい白身でした。皮付近は弾力があり、なまこや貝などを食べているような食感を楽しむことができます。


こちらはメヒカリのからあげ。淡泊な白身の中にうま味が感じられ、なおかつ食感がプリプリとしており、こちらも初めて食べたのですが、絶対に外せないメニューの1つになりそうな逸品でした。


最後は鍋焼きラーメンで締めます。グツグツと沸騰したままやってきます。「熱いですのでお気を付け下さい」と言う前に、店員が「熱っ」っとやけどしていました。他店との違いはきくらげが入っていることのようです。


店員にさらに話を聞くときくらげだけではなく、「底には餅をいれています」とのこと。


鍋焼きラーメンは「鶏ガラだしの濃厚な味わい、土鍋で熱々のまま食べられる高知名物「鍋焼きラーメン」を発祥の地「須崎市」で食べてきました」と同じく、鶏ガラの深いうま味がききつつもあっさりと食べることができおいしかったです。


漁港の町ならではの新鮮な魚だけでなく、野菜やかんきつ類・果物もとてもおいしい地方で、食べものに関しては「移住して毎日食べたい」と思えるほど充実した環境でした。メジカの新子は、この土地でしか食べられないものですが、他の魚や食材などは、通販やお土産物、ふるさと納税の返礼品 として手に入れることができます。

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in 取材,   試食, Posted by darkhorse_logmk

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