ミシュラン初のアメリカ三つ星寿司シェフに迫る
ミシュランガイドのニューヨーク版で、アメリカ国内で寿司屋として初めて三つ星を獲得した店が「MASA」です。大将の高山雅さんは、お店の取材や撮影はほとんど許可しないそうなのですが、Eaterのカット・オデルさんが取材に成功し、「アメリカで最もおいしい寿司」と言われているMASAのおまかせコースを堪能しています。
How America’s First 3 Star Michelin Sushi Chef Serves His Fish - YouTube
寿司を握っているのがMASAの大将の高山雅さん。アメリカで寿司文化を広めて洗練するため30年間寿司を作り続けてきたという高山さんは、ニューヨークでは「マサ」の通称で知られています。
「伝統的な寿司屋では、大将が寿司を握ってすぐに客に提供しますよね。この方法の根本にある考え方とは何なのでしょうか?なぜ、大将の手から直接客に寿司を出すのでしょうか?」
「寿司に限らず全ての料理は、完成したらすぐにお客さんに出します。この方法には、力とエネルギーが備わっていて、これを逃したくないと思っています。例えば料理を出すのがほんの10秒や15秒遅れただけでも異なります。料理の温かさや冷たさを保つのは難しいものです。そのため、できたての料理を提供するのが重要なのです」
おまかせコースの最初の料理は、大トロの上にキャビアを盛りつけた「キャビアディッシュ」。キャビアの塩気がとても上品なので、大トロとの相性が抜群だそうです。キャビアディッシュを食べたオデルさんは、「トロのリッチな味わいとキャビアの粒々感が、一緒に食べるとおいしい」と大満足の様子。
おいしいという感想を聞いて、ニッコリするマサさん。
オデルさんが訪れた時期はふぐが旬だったため、続いての料理はふぐのヒレ、皮、レバー、腸を使ったもの。ふぐのさまざまな部位から、なめらかさや、クリーミーな味わい、繊細さ、甘みといった複雑な味が楽しめるとのこと。旬の魚を使っているため、このふぐ料理を食べられるのは10月から3月までで、4月以降は違う魚を使った料理が提供されるそうです。
次はウニと黒トリュフの料理。ウニの殻を器として使っていて、食材の生っぽい食感を残しつつ焼いただけのシンプルなメニューとのこと。ウニの風味を壊さない程度に、味噌を少しだけ加えているそうです。
あまりのおいしさに、食べ終わった後のウニの殻をなめるオデルさん。
いよいよマサさんが目の前で寿司を握ります。まずはわさびをすりおろします。
最初はトロを握るようです。
小鳥を手のひらでつかむようにシャリを優しく握り、ネタとシャリをくっつけるのが握り寿司の作り方だそうです。
ハケでしょうゆを塗って……
直接、お客さんに届けます。
続いてはひらめをさばきます。
赤カブがアクセントの握り寿司。
いかを薄くそぎ切りにします。
ヒマラヤ岩塩を指でちょんちょんとのせます。
すだちの果汁と……
すりおろしたゆずの皮をアクセントに。
「とてもおいしい!」とオデルさん。
銀色の身が美しい、さよりの握り寿司。
しいたけの握り寿司という変わり種もあります。
次にマサさんが取り出したのは、なんとパルメザンチーズ。
さらに黒トリュフを使います
チーズとトリュフの風味が混ざり合って、複雑な味のお寿司になっているとのこと。
最後はオデルさんが「ドーモ、アリガトー」と日本語でお礼を述べて、豪華な晩餐は終了。
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