錬金術を超現実的に図解した無料ダウンロード可能な高解像度画像まとめ

「不老不死」「賢者の石」「錬金術」といった現在では非科学的だと考えられている事柄は、かつては世界各地でまじめに研究が行われていました。当時の研究を垣間見られる資料の挿絵やイラストはインターネット・アーカイブなどで公開されており、複数の画像を眺めていると当時の錬金術がどんなものだったかが非常によくわかります。

The Surreal Art of Alchemical Diagrams | The Public Domain Review
https://publicdomainreview.org/collections/the-surreal-art-of-alchemical-diagrams/

ということで錬金術に関係するイラストは以下から。なお、各画像に振られた番号からInternet ArchiveやWellcome Imagesといったウェブサイトに飛び、高解像度画像の閲覧やダウンロードが可能です。

◆01
「ヘルメスのつぼ」と名付けられた作品の挿絵。タイトルの「ヘルメス」はギリシア神話のヘルメス神とエジプト神話のトート神が融合した伝説の錬金術師ヘルメス・トリスメギストスを指しているのだと思われます。太陽・月・女性・ライオン・ばらばらになった手足・竜など、錬金術の象徴が散りばめられています。

◆02
ケルビムが風を吹くなか、男性2人が赤いローブを持っている以下の様子はまさに錬金術を行っているところとのこと。水の中には錬金術師のメルクリウス(ヘルメス・トリスメギストス)がいます。

◆03
錬金術の象徴であるライオンや、死から蘇るクジャクなどが描かれた「Thesaurus of Alchemy(錬金術辞典)」の中の1ページ。

◆04
これも「錬金術辞典」の中の1ページ。炎を吐くヘビ、天使と悪魔など宗教色が色濃く現れています。

◆05
1582年に出版されたドイツの錬金術雑録より。争いの勃発する地上と天界の間に3つの頭を持った鳥が描かれています。

◆06
上記と同じ錬金術雑録に収録されている挿絵で、「黒い太陽」と名付けられているもの。「太陽がライオンに食べられる」「日食」といったことが錬金術の象徴として扱われますが、「黒い太陽」は日食を意味するものだと思われます。

◆07
これも日食、クジャクの羽の上に横たわる人、死んだ鳥などが描かれており、復活の前の様子が描かれているようです。

◆08
他とは少し雰囲気が異なりますが、これも錬金術に関するイラスト。錬金術の過程にはこのような交合・抱擁の様子が描かれることが多いようです。

◆09
上記と同様にドイツもしくはオーストリアで15世紀に執筆された錬金術の論文の挿絵。

◆10
18世紀イタリアで出版された錬金術の雑録の挿絵。

◆11
17世紀に描かれた錬金術のイラスト。これも天使や男女の抱擁が描かれています。

◆12
自分の尻尾を食べる蛇あるいは竜は「死と再生」「不老不死」などの象徴で、ウロボロスと呼ばれます。

◆13
ドイツ生まれの錬金術者ソロモン・トリスモジンの著書「黄金の羊毛」から。トリスモジンはヨーロッパ各地を旅し、自分で作った若返りの薬を用いて長寿を全うしたと言われています。

◆14
空飛ぶ馬が描かれた1枚も。

◆15
フェデリコ・ガルディの記した「ヘルメス文書」という作品のイラスト。ヘルメス文書は神秘主義的な古代思想の文献写本の総称を指します。

◆16
地球と12星座、お腹に子どもを宿した女性など、宇宙の縮図を描いているような1枚。

◆17
「反キリスト」という文字、金星と逆さになった水星の惑星記号が描かれています。惑星記号は錬金術でよく使われており、金星の惑星記号は銅を象徴していて、水星の惑星記号は水銀を象徴していた模様。

◆18
六芒星は古くから西洋で魔除けのシンボルとして使われており、錬金術においては「賢者の石」を象徴しているそうです。

◆19
7つの腕、六芒星、実のなる樹木などが描かれた作品。

◆20
フラスコが2つ描かれただけのシンプルな挿絵もありました。なお、Wikipediaによると「蒸留器に人間の精液を入れて40日密閉し腐敗させると、透明でヒトの形をした物質ではないものがあらわれる。それに毎日人間の血液を与え、馬の胎内と同等の温度で保温し、40週間保存する」とできる錬金術によって作られた人造人間「ホムンクルス」はフラスコ内でしか生存できないという説もあるそうです。