John Lennon's First Acid Trip - YouTube
「ロンドンの歯科医が俺とジョージ(・ハリスン:元ビートルズのギター)、そして俺たちの妻のために『それ』を手配してたんだ。俺たちには何も教えず、彼の自宅でのディナーパーティーでそれを使った。彼はジョージの友人で、当時の俺たちの歯を診てくれていた人物だった」
「その場で彼は『それ』をコーヒーか何かの中に入れたんだ」
「そして彼は俺たちに『君らは帰らない方がいい』と忠告したんだ」この人物こそが、ジョンとジョージ、そして彼らの妻にLSDを体験させた歯科医のジョン・ライリー氏です。
さらにジョンが語ります。「彼は俺たちを家の中で乱痴気騒ぎさせようとしたんだ」この時、ジョンを含む4人はLSDを仕込んだライリー氏の行動に怒り狂ったとのこと。ちなみに、この時現場にいた2人の妻とは、ジョンの最初の妻であるシンシアと、ジョージの最初の妻で、後にエリック・クラプトンと結婚するパティ・ボイド。
「そしてその後に起こったことはまさに狂気じみたものだった」
4人はその後、なんとかライリー氏の自宅をあとにして、クラブ「Ad Lib」に向かいます。「俺たちはクラブに向かっていたんだが、そこは火事になっていると思っていた」
「そして俺たちは通りでキャッキャと騒いでいた」
「そしたら次は人々が『窓を割ろうぜ!』と叫んでいた。まあ、俺たちは完全におかしくなっていた。完全にブッ飛んでたんだ」
「そしてやっと、俺たちはエレベーターに乗った。そして俺たちはエレベーターが火に包まれていると思った」とパニック状態に。
「実際にはただの小さな赤いランプだったけど、俺たちは悲鳴をあげていた」
「エレベーターに乗って、エレベーターが止まってドアが開いたら俺たちは『ア"ァァァァァ!』ってな感じで飛び出した。そしてそこがクラブだってことに気がついたんだ」と語るジョン。かなりトリップしている様子が伝わってきます。
「店に入って席に着いたら、今度はテーブルが長く伸びていった」
「ただのテーブルで、俺たち4人しかいなかったけどこんな感じで長くなった」
「そしたら誰か歌手みたいなやつが俺たちのところに来て『お隣に座らせていただいてもよろしいですか?』なんて聞いてくるので……」
「俺は『ずっと黙ってるっていうならな!』と返してやった」
「そのあと、ジョージか誰かが運転するジョージのミニ(・クーパー)に乗って家に帰ったんだが、実にのろのろ運転で時速15kmぐらいしか出てなかった」
「でも俺たちには何千キロというスピードに感じられて、俺は気が狂ったような冗談が矢継ぎ早にどんどん思い浮かんできた」
「そしたらジョージは『笑わせんなよ!』てな感じで言うんだ。あぁ本当に、何か恐ろしかったけど、素晴らしいひとときだった」
「ジョージの家に着いたら、家全体がまるで大きな潜水艦のように感じられて、俺が操縦していた。みんなベッドに入り、俺は一人で操縦していた。全員が18フィート(約5.5メートル)ほどあるそれぞれの壁の上に浮かんでいて、俺が操縦していたんだ。そんな出来事だった」とジョンは当時を回想しています。
この出来事が起こったのは1965年の春とのこと。話の中に出てくる潜水艦は、後にビートルズが1968年に発表した「イエロー・サブマリン」を連想させるものだったり、「LSD」の文字からビートルズの楽曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ (Lucy in the Sky with Diamonds)」が生まれたとウワサされたりと、この時期のビートルズとドラッグの関係を強く印象づける出来事となっていました。
なお、このエピソードにまつわる詳細なストーリーは、アメリカ版ローリングストーンの記事でも読むことができます。
Beatles' 'Revolver': How LSD Opened the Door to a Masterpiece - Rolling Stone
http://www.rollingstone.com/music/news/beatles-revolver-how-lsd-opened-the-door-to-a-masterpiece-w436062