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Appleが税金逃れをしたとして巨額を追加徴税される見込み

by d_pham

Appleは2014年ごろから「Appleがアイルランドから受けている優遇措置はEUの競争法に違反する」と指摘されていましたが、欧州委員会は優遇されていた分の税金を追徴課税で取り戻すようアイルランド国税当局に指示する見通しであることがわかりました。追徴額は約2兆円に上る可能性もあるとのこと。

Apple facing record bill for Irish tax - BBC News
http://www.bbc.com/news/business-37216176


Appleは以前より税金問題について指摘されており、ティム・クックCEOはドキュメンタリー番組の中で「Appleは他のどの企業よりも多くの税金を連邦政府に支払っている」と実績を主張。「Appleは税金を逃れるための洗練された手法を構築している」という指摘については「まったく馬鹿げた政治的な指摘です」とコメントしました。一方で、海外で生まれた収益について、アメリカ国内に戻すと全体の40%が徴収されることを問題としており、その状況を「産業時代の遺産であり、デジタル時代のものではありません。これは時代に逆行するもので、アメリカにとってひどいものです」と指摘していました。

Appleのティム・クックCEOが問題視される税金問題について「ばかげている」とコメント - GIGAZINE


しかし、今回調査を行ったEUの執行機関である欧州委員会は1991年から2007年の間にAppleがアイルランド国税当局と税金を最少額にする取り決めを結んだと主張。EUでは国税当局が特定の企業に対して税金を優遇する措置を行うことは認められておらず、欧州委員会はAppleとアイルランド国税当局が結んだ取り決めは規定違反だという判断を下す予定です。これにより、欧州委員会がAppleがアイルランドに収めるべきおおよその金額を算出し、正確な金額はアイルランド当局が算出することとなります。

アメリカや欧州の当局によって税金を逃れていることが指摘されているのはAppleに限りません。2015年10月にはスターバックスとフィアット・クライスラー・オートモービルズが欧州で受けた優遇税制が規定に違反していたとして、欧州の当局は税優遇を提供したオランダとルクセンブルクに、過去の優遇分を追加徴税で取り戻すよう指示しました。ただし、欧州委員会の公表に対してスターバックスは「今回の決定には重大な誤りがある」との声明を発表しています。

なお、Appleが支払うことになる額は未定でありさまざまな予測が行われていますが、 J.P. Morganのアナリストであるロッド・ホール氏は最大190億ドル(約1兆9400億円)に上ることも考えられると語っています。規定違反の判断は早ければ現地時間の2016年8月30日(火)には行われる見通しとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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