「Appleより15年以上前にiPhoneを発明した」と主張する男性がAppleを提訴、賠償金は1兆円オーバー
By John Karakatsanis
中国のスマートフォンメーカーが「iPhoneは同社のスマートフォンのデザインをパクっている」として特許侵害を訴え、北京市でiPhoneの販売停止命令がAppleに下されましたが、今度は「iPhoneやiPad、iPodは私のデザインを盗んでいる」と主張する男性により訴えられました。しかも、訴えを起こした男性は100億ドル(約1兆270億円)というものすごい額の賠償金を求めています。
Florida Man Sues Apple for $10+ Billion, Says iOS Devices Copy His 1992 Drawings - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2016/06/28/florida-man-sues-apple-1992-invention/
Man who claims he invented iPhone in 1992 sues Apple for $10bn
http://www.telegraph.co.uk/technology/2016/06/29/man-who-claims-he-invented-iphone-in-1992-sues-apple-for-10bn/
Man sues Apple for $10 billion, claims company copied his designs for iPhone, iPad, iPod
http://www.neowin.net/news/man-sues-apple-for-10-billion-claims-company-copied-his-designs-for-iphone-ipad-ipod
MacRumorsやThe Telegraphなどさまざまなメディアが報じたところによれば、Appleを提訴したのはフロリダ州在住のトーマス・ロス氏です。ロス氏は1992年5月23日から9月10日にかけて「Electronic Reading Device」という名前の端末のデザイン案を手書きで作成しており、AppleのiPhone、iPad、iPodのデザインがElectronic Reading Deviceに酷似しているとして訴訟を起こしました。
ロス氏はElectronic Reading Deviceが長方形の形状や角が丸くなったデザインになっていて、バックライト点灯式のタッチスクリーンを搭載し小説や新聞を読んだり、写真や映像を視聴したり、電話のようなコミュニケーションやインターネットに接続したりすることが可能なデバイスであり、「1992年以前には決して存在しなかったデザインと機能が融合している」と主張しています。
ロス氏がデザインしたElectronic Reading Deviceは左の端末で、右がiPhoneです。
二つ目のデザインはデュアルスクリーンを搭載した端末になっています。
Electronic Reading Deviceの特許はどうなっているのかというと、ロス氏が1992年11月に申請したものの、アメリカ特許商標庁により1995年に却下されました。特許申請が却下された理由は、ロス氏が申請料金を支払わなかったからとのこと。しかし、ロス氏は2014年に今度はアメリカ著作権庁にElectronic Reading Deviceの著作権登録を申請しています。
「お金では治らない取り返しのつかないダメージを被り続けている」と話すロス氏は陪審裁判を要求しており、約1兆270億円の賠償金とAppleがiPhone・iPad・iPodの販売で得た売上の最大1.5%の支払いを求めています。
なお、2015年第4四半期のAppleの売上高515億100万ドル(約5兆3000億円)のうち62.5%はiPhoneの売上高になっており、これにiPadやiPodなどの売上高を含めると、ロス氏が求めている1.5%でもすごい額になりそうです。
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