MicrosoftがHoloLens向けに開発した謎のホログラフィック専用チップ「HPU」とは?
By Microsoft SwedenMicrosoft Sweden
Microsoftが開発中の「HoloLens」はゴーグルタイプのデバイスで、かけると現実世界に3Dホログラムを投影するという今までにはなかった機能を搭載しています。Microsoftはホログラムを現実世界に投影するのに「HPU(ホログラフィック・プロセシング・ユニット)」というチップを独自開発し、その詳細をカリフォルニアで開催されたHot Chipsで公開しました。
Microsoft's HoloLens secret sauce: A 28nm customized 24-core DSP engine built by TSMC • The Register
http://www.theregister.co.uk/2016/08/22/microsoft_hololens_hpu/
HoloLensに搭載されているMicrosoftのホログラフィック専用チップのHPUは、TSMCが組み立てを担当した28nmのコプロセッサで24基のTensilica製DSPコアを搭載しています。HPUは6500万基に及ぶ論理回路を持っていて、8MBのSRAM(スタティックRAM)・DDR3メモリを搭載。このHPUを採用することで、1秒あたりに1兆レベルの演算を可能にしています。
HPUはHoloLensに搭載されている各種センサーからデータを収集し、ユーザーのジェスチャーによる動作を処理するとのこと。24基のDSPコアはそれぞれが異なるタスクを処理するようになっており、同じコードを一般的なCPUで実行するより速く処理を行うことができるそうです。
HPUは1GBのメモリを搭載した14nmのAtom x86 Cherry Trailに隣接していて、このSoCがHoloLensのディスプレイ上でWindows 10やアプリケーションを起動する役割を担い、使用したときの没入感を高めています。
現実世界と仮想世界(VR)が混ざった複合現実(MR)を可能にするという、映画の世界から飛びだしてきたかのようなHoloLensは、2016年4月に開発者向けバージョンが登場し、8月18日には法人向けキットがリリースされました。一般向け市販バージョンの発売がいつになるのかは記事作成時点で不明です。
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