広告を表示させたいFacebookと広告ブロックソフトの果てしなき戦い

By aston Leisen

2016年8月9日にFacebookは、広告ブロック機能をバイパスして広告を表示する取り組みを発表しました。そのFacebookの姿勢に対していち早く反応したのがブラウザ拡張機能の「Adblock Plus」で、Adblock PlusはFacebookの広告表示システムを回避する方法を公開し、さらにはFacebookが回避策を回避するアップデートを公開するなど、両者のいたちごっこが続いています。

Adblock Plus and (a little) more: FB reblock: ad-blocking community finds workaround to Facebook
https://adblockplus.org/blog/fb-reblock-ad-blocking-community-finds-workaround-to-facebook

Adblock Plus has already defeated Facebook's new ad blocking restrictions | The Verge
http://www.theverge.com/2016/8/11/12439990/facebook-unblockable-ads-defeated-by-adblock-plus

Facebookがデスクトップ版Facebookで広告ブロックの拡張機能をバイパスして広告ブロックユーザーにも広告を表示する計画を発表した数時間後、Adblock Plusは「Facebookの選択はユーザーの自由な選択に対して暗黒の道を突き進む残念な選択です。しかし、案ずることは何もありません。IT業界におけるいたちごっこは長い間続いてきたことです」という声明文をブログで公開しました。

Adblock Plusは、Facebookが論じていた「広告ブロック機能のユーザーにどうして広告をブロックするのか聞いてみると、多くの人が望んでもいないイライラする広告を見たくないからと答えました」という意見に対して、「もしこれがFacebookの考えであれば、Facebookはユーザーが広告ブロック機能を使うのに正当な理由があることを認めたことになります。しかし、(Facebookの取り組みにより)ユーザーはどの広告をブロックするか、自由な選択を与えられていません」と真正面から反論しました。

そして、Adblock PlusはFacebookの強制広告表示を回避する方法をブログで公開。公開された方法によると、ユーザーは「facebook.com##DIV[id^="substream_"] ._5jmm[data-dedupekey][data-cursor][data-xt][data-xt-vimpr="1"][data-ftr="1"][data-fte="1"]」というコードをフィルタに追加するだけで、Facebookで再び広告をブロックできるようになるとのこと。

Adblock Plusを使っていても広告が表示されていたFacebookのページが左で、広告表示を回避する方法で広告を非表示にしたページが右の画像になります。左の画像にある赤い部分が広告なのですが、右側の画像ではごっそりと削除されているのがわかります。

すさまじいスピードで対応してきたAdblock Plusですが、Facebookも負けじとAdblock Plusの広告表示回避を回避できるようになるアップデートを配信開始。FacebookがIT関連メディアのTechcrunchに語ったところによれば、広告をブロックするソフトウェアを開発している企業による回避策は広告だけでなく他ユーザーの投稿もブロックしてしまうことになり、Facebookユーザーに損失を与えているとのこと。

FacebookがAdblock Plusの回避策をさらに回避するアップデートを配信したことに対して、Adblock Plusは「こういったいたちごっこは広告ブロックの誕生以来ずっと続いてきたことであり、広告ブロックのコミュニティーは別の回避策を見つけるでしょう。そして、Facebookは再び回避策を投じてくると思います」と語っており、FacebookとAdblock Plusの攻防はどちらかが諦めない限り続いていくことを示唆しました。