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モバイルの広告をブロックする「広告ブロックブラウザ」のユーザー数は2015年から90%も増加

By Japanexperterna.se

GoogleやFacebookなどのインターネット企業の大半は自社コンテンツに表示されるオンライン広告が主な収入源となっています。そんなオンライン広告を表示できなくする広告ブロックソフトの実態について調査したレポートが公開され、従来のインターネット広告に依存するビジネスモデルの脅威となりつつあることが判明しています。

2016 Mobile Adblocking Report | PageFair
https://pagefair.com/blog/2016/mobile-adblocking-report/

(PDFファイル)Adblocking-Goes-Mobile.pdf

広告収入の損失を取り戻すアドバイスを行なうスタートアップ「PageFair」は、スマートフォンのアプリデータを追跡する企業「Priori Data」のデータを分析し、2016年の全世界における広告ブロックソフト使用状況を示したレポートを公開しました。レポートによると、広告ブロックアプリ、ブラウザプラグインなどを利用しているスマートフォンユーザーの数は4億1900万人にのぼり、5人に1人がインターネット上の広告をブロックしていることになります。この数はデスクトップ端末で広告をブロックしているユーザーのおよそ2倍に当たります。


以下はモバイル端末における広告ブロックアプリの全体像をまとめたもので、「インターネットプロバイダー(ISP)のネットワークから広告をブロックするアプリ」「アプリ内広告やブラウザ内広告をブロックするアプリ」「ブラウザ全体の広告をブロックするアプリ」「SNSなど特定のサービスの広告をブロックするアプリ」に分類されています。特にブラウザが拡大中で、APIをたたいて広告を遮断するもの、ブラウザ自体に広告ブロック機能を搭載したもの、設定で広告ブロック機能をオンにできるものなどがあります。多くはサードパーティー製のアプリですが、メーカーが自社製の広告ブロックブラウザをプリインストールするといった動きも見られています。


2014年12月から2016年3月までの間で、特にダウンロード数が多かった広告ブロックブラウザのトップ5は以下の通り。中国の企業が1位~4位までを占めるというちょっとした独占状態になっています。


広告ブロック機能を搭載したブラウザは次々と開発されており、広告ブロックブラウザのアクティブユーザー数は2015年と比較して90%も増加しています。


2016年3月の1か月間で広告ブロックブラウザのアクティブユーザー数を国ごとに分類するとこうなります。世界で最も広告ブロックブラウザが使われているのは中国で、月間アクティブユーザー数は1億5900万人。2位がインドで1億2200万人、3位がインドネシアの3800万人で、東南アジアに集中しているのがわかります。


東南アジアのスマートフォンユーザーの36%が広告ブロックブラウザを使っていることになりますが、スマートフォンの普及がさらに見込まれるインド・インドネシア・パキスタンなどが上位にいることから、今後は広告ブロックブラウザのさらなる拡大が予測されています。


ウェブ上で記事を公開している新聞社が、広告ブロックユーザーの閲覧を停止する方針が加速中で、ニューヨーク・タイムズはすでに広告非表示ユーザーに対して「人生で最高のものはタダではない」というメッセージを表示して記事を非表示にしています。無料でコンテンツの提供を続けるためには広告表示が必要になるわけですが、オンライン広告は悪質なものが存在するのも事実。ニューヨーク・タイムズもこのレポートを取り上げており、アナリストは「今後は広告ブロックソフトの使用に対する『インターネットの中立性』が問われるでしょう。中立性の基準を満たしているかは裁判所で争うべきです」と分析しているとのことです。

Rise of Ad-Blocking Software Threatens Online Revenue - The New York Times
http://www.nytimes.com/2016/05/31/business/international/smartphone-ad-blocking-software-mobile.html

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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