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ドーピングすると起こる体の変化と副作用

By Lim CK

ドーピングとは、スポーツ選手が運動能力を高めるために薬物を使うことを指し、オリンピックや多くの競技大会で禁止されている不正行為です。しかし、不正行為とわかっていながらもドーピングに手を出す選手は後を絶ちません。一体ドーピングの魅力とはどのようなものなのか、科学や文化など幅広いテーマを扱うLife NogginというYouTubeのチャンネルがドーピングによって得られる肉体的効果と副作用について説明したムービー「What Do Performance-Enhancing Drugs Do To Your Body?」を公開しています。

What Do Performance-Enhancing Drugs Do To Your Body? - YouTube


ドーピングによる不正行為はオリンピックなどの競技大会で禁止されているのにも関わらず、手を出してしまうアスリートたちがいるのが現状。なぜアスリートはドーピングをしてしまうのか、ドーピングによって得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか。


最も有名なドーピング薬物である「アナボリックステロイド」は、服用すると体の中で分解されアンドロゲン受容体と呼ばれる細胞内タンパク質の一種と結合します。


アンドロゲン受容体がアナボリックステロイドと結合したことで、体内で大量のタンパク質が分泌されます。


タンパク質が分泌されると骨格筋が自己複製を始め、筋肉量が増大。ある調査では、男性がアナボリックステロイドを摂取してトレーニングを行うと筋肉量が平均38%も増えることが分かっています。


また、タンパク質をアミノ酸に分解する異化という現象が起こるため、激しいトレーニングをしても早く回復できるというメリットがあります。


しかし、ニキビ・高血圧・脱毛症といった副作用が男性と女性の両方に認められており……


さらに睾丸縮小・精子減少・前立腺ガンといった男性特有の副作用が生じることも。


女性の場合だと、顔の毛が濃くなったり、声が低くなったり、生理不順や生理が止まったりなどの副作用が起こります。


では、筋肉を必要としないアスリートがどのようなドーピングをするのかというと、アスリートは心肺能力を高めるために血液ドーピングと呼ばれる手法を用いることがあります。


世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスで7回優勝したランス・アームストロングは血液ドーピングを告白し、自転車競技から永久追放処分を受け、ツール・ド・フランス7連覇を含む1998年8月以降のすべてのタイトルを剥奪されました。


血液ドーピングは、自分の血液を使って赤血球の量を増やし、本来よりも高い持久力を得られるドーピング手法です。


ある調査では、血液ドーピングにより持久力が34%向上したという結果が出ました。


また、トレッドミルで8kmの走行テストを行った調査では、通常の状態よりも平均して約44秒早く走れるようになることが判明。たった44秒と思うかもしれませんが、アスリートにとっての44秒はものすごく大きな数字です。


血液ドーピングは副作用こそありませんが、1986年に国際オリンピック委員会(IOC)が禁止方法にしており、使うことで永遠にスポーツ界から追放されてしまう可能性があります。


ドーピングをするよりも、自分でトレーニングをして鍛えるのが正解なのは当たり前。スポーツを見る視聴者も、応援していた人がドーピングをしていたら失望していまいます。ドーピングをして優勝すれば金メダルを勝ち取れますが、ドーピングによって失うものの方がたくさんあるはずです。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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