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ドローンを農業に活用する6つの方法

By ackab1

AmazonGoogleが配達ドローンの開発を着々と進めていたり、警察がテーザー銃付きドローンを配備開始したり、釣りができるドローンが登場したりと、ただ飛ばすだけでなくさまざまな活用方法が考案されているドローン。そんなドローンを農業で活用する方法6つをMIT Technology Reviewが公開しています。

Six Ways Drones Are Revolutionizing Agriculture
https://www.technologyreview.com/s/601935/six-ways-drones-are-revolutionizing-agriculture/


1:土と畑の分析
畑に苗を植えたり種まきを行ったりする前の土壌分析のタイミングでドローンを使って正確な3Dマップを作成すれば、3Dマップは苗を植えるタイミングを計画する際に役立ちます。また、苗を植えた後に土壌分析を行えば、作成した3Dマップがかんがいや土壌の窒素レベルを管理するのにも役立つようになります。つまり、ドローンを使えばより正確な収穫サイクルを割り出すことが可能となり、収穫効率の向上につなげられるというわけです。

2:種まき
いくつかのスタートアップは、ドローンを使った種まきシステムの開発に取り組んでいます。ドローンを使った際の散布率は既に75%にまで達しており、種まきにかかるコストはなんと85%も削減可能です。このシステムは、植物の種と植物用の栄養素が入った容器をドローンから発射することで、植物の成長に必要な種と栄養を同時に土壌にまく、というものになっています。

By United Soybean Board

3:農薬散布
超音波エコーやレーザーを駆使した距離測定装置により、ドローンを地形ごとに適した高度で飛ばしたり障害物から回避させたりすることが可能になりました。こういった技術の進歩により、ドローンは飛行している高さから地面までの距離を測定し、適切な量の農薬をリアルタイムで調節可能なまでに進化しています。その結果、散布する農薬(化学薬品)が土壌に浸透する量が減り、従来の機械を使用した農薬散布よりも5倍も速く農薬散布を完了することも可能、という推定データも存在するそうです。

コンシューマー向けドローン・Phantomシリーズで有名な中国のドローンメーカーDJIも、農薬散布ドローンをリリースしています。

人間の60倍効率的に農薬を散布するドローン「Agras MG-1」をDJIがリリース - GIGAZINE


農薬散布ドローンAgras MG-1が動く様子は以下のムービーで見られます。

HPIGUY | DJI Agras MG-1 Crop Spraying Done Preview - YouTube


4:作物のモニタリング
広大な農地と収穫効率の低さは、共に農業における大きな障害となります。これまで作物のモニタリングで最も高度な方法は「衛星画像を使う方法」とされてきましたが、衛星画像の精度はあまり高いとは言えないもので、さらに利用するには大きなコストがかかるという欠点もありました。しかし、ドローンを使えばより安価に正確な作物の成長状況を確認することが可能となり、作物管理に非常に適しているとのこと。

5:かんがい
ドローンはハイパースペクトルやマルチスペクトル、熱センサーなどを搭載しています。これらのセンサーを用いて分析すれば、地面のどの部分が乾燥しており、どの部分に手を加えると崩れるかなどを判断することは容易だそうです。よって、ドローンを用いればかんがい作業もより効率的に行えるようになるというわけ。

By Neil Cummings

6:作物の健康状態の評価
作物の健康状態や土壌のバクテリア量、樹木の真菌感染症の有無などを見積もることは農業において非常に重要です。可視光線と近赤外線を用いた機器をドローンに積めば、植物が異なる量の光や近赤外線をどのくらい反射するかを識別可能となります。この情報によりマルチスペクトルイメージを生産可能となり、これを用いれば植物やその健康状態の変化を観察するのに非常に役立つ、とのこと。そして、こういった目では見えない植物の変化に迅速に対応することは、農地を危険から守ることにつながります。

なお、世界最大級のプロフェッショナルサービスファーム・PwCはドローンによる農業ソリューション市場の規模を324億ドル(約3兆4000億円)と見積もっています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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