Amazonのドローン配達「Prime Air」の現状をAmazon副社長に直撃


ネットでポチってから30分以内の爆速で配達してくれるAmazonのドローン配達便「Prime Air」について、Amazonのグローバル公共ポリシー担当副社長のポール・マイズナー氏がその現状に関する質問に次々と答えており、Prime Airサービスが着実に開発されていることが明らかになっています。

Exclusive: Amazon Reveals Details About Its Crazy Drone Delivery Program
https://www.yahoo.com/tech/exclusive-amazon-reveals-details-about-1343951725436982.html

ITコラムニストのデビッド・ポーグ氏が、ドローンに関する取材の一環で、2015年にマイズナー氏に単独インタビューを行いました。「Prime Airに関する新しいムービーも公開されたことだし、そろそろいいでしょう」ということで、インタビュー内での質疑応答の中身がボーグ氏によって公開されました。

なお、ボーグ氏の言う新しいムービーについては、以下の記事で確認できます。

30分以内の配達を実現するAmazonの配達ドローンが劇的進化、着陸方法など最新版ムービー公開 - GIGAZINE


左がポーグ氏で右がマイズナー氏。


デビッド・ボーグ(以下、ボーグ):
まずは、Prime Airについて簡単に教えてください。

ポール・マイズナー(以下、マイズナー):
Prime AirはAmazonで注文した商品を、注文後30分以内に配達するサービスです。(商品倉庫からの)目標距離は、10マイル(16km)以上。5ポンド(約2.3kg)以内の重さの商品を届けます。顧客が購入するほとんどの商品が5ポンド以下であることが分かったため、この重さを目標に設定しています。

ボーグ:
サービスのオプション費用は?

マイズナー:
まだ分かりません。

ボーグ:
もし自宅にいない場合はどうなる?

マイズナー:
運送会社UPSのトラックで配達される場合と同じです。玄関先を指定することもできるし、任意の配達場所を指定することもできます。


ボーグ:
ドローンには複数のタイプがありますか?

マイズナー:
フェニックスのように乾燥して埃っぽい地域もあれば、オーランドなどの熱帯・湿潤した地域もあります。もちろん、一戸建てや高層ビルなど顧客の住まいもさまざま。あらゆる顧客にPrime Airを提供できるように、それに見合ったドローンが必要になると思います。

ボーグ:
Amazonドローンは既製品ではなく独自開発品?

マイズナー:
はい。市販されている一般的なドローンとはまったく異なるものです。Prime Airのドローンは高度に自動化されたドローンで、「sense-and-avoid(認識・回避)」技術と呼ばれるものを使って、障害物を自動的に避けることができます。


Prime Airのドローンは自動車というよりも馬に近いもの。自動車では林に突入することはできますが、馬に乗っている場合は、馬が木々との衝突をいやがれば林に分け入ることはできませんよね。Prime Airのドローンも、自動回避システムによって障害物に近づけないようになっています。

ボーグ:
次々と開発される高層ビル対策は?

マイズナー:
より良い都市環境づくりに役立つように、ドローンの設計を柔軟に変更します。

ボーグ:
マンションの屋上や中庭を届け先に指定可能?

マイズナー:
完全に可能です。想定内です。

ボーグ:
運送会社への支払いをなくそうとPrime Airを開発するのですか?

マイズナー:
いいえ。運送会社の利用削減が目的ではありません。必要なサービスにあった配達方法を充実させる目的の一つがPrime Airです。例えば、「消耗品をそろそろ補充しよう」という場合であれば、翌週に商品が届くので十分です。しかし、どうしても商品がすぐに必要だという場合もあります。そのような場面をカバーするのがPrime Airです。

ボーグ:
技術的にも規制の面でも難しいと思いますが?

マイズナー:
自動飛行の技術について言えば、みなさんが考えるほど難しいものではありません。すでに技術は確立しています。あとは、実際に自動飛行を安全にできるのか確認・実証する段階に来ています。

ボーグ:
難しい問題は何ですか?

マイズナー:
先ほどおっしゃった、規制をクリアするというのは難しい。しかし、私たちがシステムの安全性を証明すれば、規制はただちに変更され、私たちの方向についてきてくれると信じています。

ボーグ:
Amazonドローンが空を飛び回ったら、騒音問題は起こりませんか?

マイズナー:
たしかに騒音は問題になり得ますが、誇張されすぎです。もちろん、ノイズを軽減する技術の開発は課題の一つではありますが。

ボーグ:
ショットガンで打ち落とそうという暴漢がいたらどうする?


マイズナー:
銃撃される危険はトラックでも同じ。今では道路を走るトラックを見慣れたのと同じように、いつかドローンも目新しさはなくなるはずです。

ボーグ:
飛行機など他の飛行物体との干渉をどうやって避けるのですか?

マイズナー:
私たちは世界中の規制当局にドローンを飛行させる専用空域の設定を提案してきました。有人飛行は500フィート(約150メートル)を超えます。安全性を考慮して400フィート(約120メートル)以上を飛行禁止区域にすればよい。つまり、200フィート(約60メートル)から400フィート(約120メートル)の空域をドローン用に確保できればOKです。地形を測量したい建築関係の人は、200フィート以上、ドローンを高く上げる必要性はないのですから。
 
ボーグ:
FAAやNASAはその提案についてどんな反応ですか?

マイズナー:
議論することは歓迎されると思います。今後、ますます議論が深まり、進展していくことを期待しています。

ボーグ:
私の印象では、FAAはAmazonの計画を正視していないと思いますが。

マイズナー:
FAAはアマチュアのドローンと商用ドローンを同じく規制し権限を与えるべきでしょう。アマチュアドローンの技術はさまざまで、洗練されていないものもあるので、最低限の規制は必要で、それらは明確にされる必要があります。私たちは、Prime Airのような商業目的のためのルール作りが必要だと思います。実際に、アメリカ以外の国ではルール作りが始まっています。

ボーグ:
アメリカで制度が未整備な状況とのことだが、Prime Airが他国からスタートすることはあり得る?

マイズナー:
はい。私たちは世界中に顧客を持っているので、アメリカが最初でなければならない理由はありません。実のところ、他国からサービスが開始される可能性は十分あると思います。

課題は確かにありますが、私たちがPrime Airの安全性を証明して規制当局がそれを認めれば、すぐにでもサービスが開始できるでしょう。そのような例を数多く見てきました。Prime Airは必ず実現されるでしょう。

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