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レーザービームでネットの高速通信を実現する技術をFacebookが発表、遠隔地にネットを供給する計画


インターネットが使用できない遠隔地でもインターネットを使用できるように、巨大Wi-Fiドローンや無線通信プラットフォーム「OpenCellular」などのプロジェクトを手がけているFacebookが、今度はレーザービームを介して高速のインターネット通信を可能にする光学検知器を開発し、遠隔地におけるインターネットの普及を図っています。

Harnessing light for wireless communications | Engineering Blog | Facebook Code | Facebook
https://code.facebook.com/posts/484014178459953/harnessing-light-for-wireless-communications/

Facebook brings high-speed laser communications into focus | ITworld
http://www.itworld.com/article/3097627/facebook-brings-high-speed-laser-communications-into-focus.html

OSA | Luminescent detector for free-space optical communication
https://www.osapublishing.org/optica/abstract.cfm?uri=optica-3-7-787

Facebookの調査によれば、インターネットに接続できない人たちは全世界で約40億人おり、そのうちの約16億人はネットワークインフラが整備されていない遠隔地に住んでいるとのこと。こういった遠隔地に住んでいるためにインターネットを利用できない人々に対して、Facebookはインターネット接続用の旅客機サイズのWi-Fiドローンやオープンソースの無線通信プラットフォーム「OpenCellular」を開発して問題解決に取り組んできました。

By Jeff

ネットワークインフラが整備されていない遠隔地にインターネットを供給するには、ケーブルを設置するよりも安価ですむ無線通信を配備するのが一般的。しかし、一般的な無線通信には通信速度に上限があったり、無線周波数を現地の政府から有料で割り当ててもらう必要があったりなど、配備にはさまざまな障壁が存在します。

無線通信の配備における問題を回避すべく、Facebookが研究・開発を進めてきたのがレーザービームを介して高速の信号を送信する技術。この技術は無線周波数や政府からの許可が必要ないこと、さらに複数のシステムが同じエリアにあってもお互いに干渉しないといった利点があります。


しかし、マルチギガビットクラスの通信速度を実現するためには、信号を受信するフォトダイオードが高速で動作する必要があります。言い換えると、信号を受信するためのフォトダイオードを1平方ミリメーターくらいのかなり小さなサイズにする必要があるということになります。また、レーザービームであっても伝播する間に拡散が起こります。そのため、レーザービームを適切に受信機に照射するには複雑な照準システムを構築する必要があります。高速で動作するフォトダイオードや複雑な照準システムを実現することは、低速通信であったとしても困難で、高速通信ともなると大きな挑戦になるとのこと。

Facebookは、上述の問題を解決すべく新しい光学検波器を開発。開発された光学検知器は通信速度を犠牲にすることなく126平方センチメートルという広範囲の動作エリアをカバー可能。この光学検知器は、青色の波長を吸収し緑色の波長をファイバーに放射する「有機色素分子」を添付したプラスチック製の光ファイバーを使用しており、これが1平方ミリメーター大の小さなフォトダイオードに照射することを可能にしているそうです。


Facebookが開発中の光学検波器がコレ。テストではこの光学検知器を使って2.1Gbpsという高速通信を実現しており、さらに高速化できる可能性があります。同社は今後、光学検知器のプロトタイプを使ってテストを行い、実際の遠隔地でも適切に動作するのか検証する予定です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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