「世界で五指に入る危険な男」は「自宅で3Dプリンターを使って銃を製造するべき」と主張する28歳
The Guardianによる「世界で最も危険な人物たち」に2度選ばれ、Wiredが2015年に発表した「ネット上で最も危険な5人の人物」にも選ばれたコーディ・ウィルソン氏は「暗号無政府主義者(クリプト・アナーキスト)」「自由市場無政府主義者」であり、かつ銃所持のアクティビストでもあります。ウィルソン氏は「人々は、自宅で3Dプリンターを使って銃を製造すべき」という主張を掲げています。
Cody Wilson - Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Cody_Wilson
Cody Wilson: the man who wants Americans to print their own 3D guns | US news | The Guardian
http://www.theguardian.com/us-news/2016/jun/06/cody-wilson-3d-guns-printing-firearms-lower-receivers
ウィルソン氏は銃所持についての過激な意見と行動で知られている人物です。「家庭用の3Dプリンターでも作れる銃の設計図をネットで公開したい」とWiki Weapons Project(のちのDefense Distributed)を立ち上げましたが、目指すところが危険だと見なされて、2012年には3DプリンターメーカーのStratasysが貸し出していた3Dプリンターを引き上げるという事態も起きました。
3Dプリンターで銃を作るプロジェクトで借りていた3Dプリンターが没収される - GIGAZINE
しかし、Defense Distributedは目的に向かって突き進み、実際に600発以上の連射に耐えられる銃を3Dプリンターで製造することに成功。
3Dプリンタで作った銃が600発以上の連射に耐えることをムービーで証明 - GIGAZINE
これらのデータは当初の目的に沿って、オープンソースで一般に公開されました。このファイルは、アーカンソー州から取り下げの命令を受けるまでに10万回以上ダウンロードされました。その後、オリジナルは削除されましたが、コピーは今もネット上で広まり、ダウンロード可能な状態にあります。
アメリカ政府はウィルソン氏の行動が武器輸出管理法に反するものだと主張していますが、テキサス大学法科大学院の学生だったウィルソン氏は「オンラインで、銃の設計図を公開することを罪とする法律はない」と突っぱねています。1968年に制定された銃砲規制法によって、販売目的で銃火器を製造することは違法だと定められているのですが、設計図を元に自分用の銃を作ることは規制されていないためです。この件についての訴訟は今も続いています。
現在は、設計図だけではなくGhost Gunner 2という3Dプリンターも製造・販売しています。危険性について指摘されると、ウィルソン氏は「人々はあくまで『銃を作りたい』という目的で購入しているのであって、作った銃を犯罪に使いたいからではない」と反論しています。
Ghost Gunner 2 – DefDist
https://ghostgunner.net/collections/featured-products/products/ghost-gunner
現在、ウィルソン氏が注視しているのは大統領選の行方。共和党の事実上の大統領候補となったドナルド・トランプ氏は銃規制とは正反対の考えの持ち主ですが、民主党の大統領候補となることがほぼ確実なヒラリー・クリントン国務長官は銃規制を優先課題として挙げているためです。
ウィルソン氏は「もしクリントン氏が大統領になったら、私は『銃』世界で今まで以上の重要人物になります」と語っており、アメリカ大統領選の結果は、「オープンソース銃」界隈にも大きな影響をもたらすことになりそうです。
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