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3Dプリントできる銃データの「公開」禁止命令を受けた男がデータの「販売」を開始


3Dプリンターを使って「銃」を出力できるようになったことで、アメリカでは追跡不能の銃が大量に出回ってしまうことからセキュリティ面で憂慮されています。そんな中、3Dプリント銃の3Dデータをインターネット上で公開していたコーディ・ウィルソン氏に対して、「データの『公開』を禁じる」との裁判所命令が出されたのですが、ウィルソン氏はネットなどを通じて3Dデータの「販売」を始めてしまいました。

Texan says he's selling 3D-printed gun plans after ruling
https://www.apnews.com/f1238ad5c636429aad9203b6a3a8af55/Texan-says-he%27s-selling-3D-printed-gun-plans,-despite-ruling

ウィルソン氏がどんな人物なのかは以下の記事を見ればわかります。

「世界で五指に入る危険な男」は「自宅で3Dプリンターを使って銃を製造するべき」と主張する28歳 - GIGAZINE


すったもんだの末にウィルソン氏が銃の3Dデータの公開を禁止された経緯は以下の記事で確認できます。

銃の3Dデータ配布を巡る訴訟で司法省が和解に同意、データ配布を認める - GIGAZINE


「銃の3Dデータ配布はやっぱり危険」とアメリカの20州が公開中止を求める - GIGAZINE


「銃の3Dデータ」をオンラインで配布する計画を裁判官が中止させる - GIGAZINE


銃の3Dデータの公開を禁じられたウィルソン氏でしたが、2018年8月28日から自身の運営するDefense Distributedで、公開が禁止されたはずの3Dデータの販売を開始しました。銃のデータはメール、クラウドストレージ、セキュリティ保護されたダウンロードなどの方法で購入者に送られるとのこと。なお、気になるデータの価格は「購入者の言い値」だそうです。

ウィルソン氏は3Dデータの公開禁止を求める差止訴訟でデータの公開禁止命令を受けましたが、「命令によって禁じられているのはファイルをインターネット上にアップロードし公開する行為で、Eメールや郵送などのその他の方法を通じて売却することは禁止されていない」とウィルソン氏は考えているとのこと。すでに約400件の「注文」を受けていることを明らかにしています。


差止訴訟でウィルソン氏と争っていたワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、「ウィルソン氏の行為は、裁判所命令に違反しています。連邦政府はウィルソン氏を逮捕すると信じています。もしそうならないなら、トランプ大統領は公開されたデータで作られた銃で傷つけられたあらゆる人に対して責任を負うことになるでしょう」と述べています。

ウィルソン氏は、銃の販売行為をやめさせようと州が訴訟を起こすだろうと考えており、すでに訴訟に備えて法的弁護のための費用をクラウドファンディングによって調達しているとのこと。「長年にわたって銃の3Dデータを『販売しない』という選択をしてきました。私はオープンソースの信奉者であり、銃データでお金を稼ごうとは思っていません」とウィルソン氏は述べており、政府当局との全面対決をも辞さない覚悟を明らかにしています。

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in メモ,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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