セキュリティ

Googleが従来のパスワードを排除しユーザーの行動を学習して認証を行う「Project Abacus」をもうすぐ開始

By Mark Rain

スマートフォンから買い物をしたり銀行口座にアクセスしたりする場合、パスワード認証や指紋を使った生体認証を使ってログインする必要がありますが、こういった従来のパスワードシステムを排除すべく、Googleがユーザーの行動データから本人確認を行うシステム「Project Abacus」を2016年夏頃から試験運用することを発表しました。

Google plans to bring password-free logins to Android apps by year-end | TechCrunch
http://techcrunch.com/2016/05/23/google-plans-to-bring-password-free-logins-to-android-apps-by-year-end/

Project Abacusの詳細が明らかになったプレゼンテーションは以下のムービーから確認可能です。ムービーは約1時間ほどありますが、Project Abacusについて語られているのは4分55秒から5分42秒ごろまでです。

Bridging the physical and digital. Imagine the possibilities. ATAP. - Google I/O 2016 - YouTube


Project Abacusが発表されたのは2015年に開催された「Google I/O」で、2016年の「Google I/O」では続報としてその詳細が発表されました。Googleの先端技術開発チームのATAPを率いるダン・カウフマン氏はProject Abacusを考案した人物で、「パスワードシステムを排除するためのプロジェクトがProject Abacusです。スマートフォンには多数のセンサーが搭載されているのにも関わらず、ユーザーのことを認識できていません。スマートフォンに搭載されているセンサーだけでユーザーを認識し、パスワード入力を行うことなくスムーズにスマートフォンを使用できるべきです」とProject Abacusを考案した経緯を話しました。


Project Abacusは従来のパスワードではなく、タイピングパターンや歩き方、位置情報、顔、声紋といったユーザーの行動を統括的に解析して本人確認を行うシステムです。センサーが収集したデータで本人確認が不十分な場合は、パスワードの入力が必要になります。また、ログインするサービスやアプリの重要度に応じて認証のレベルに違いを持たせるとのこと。例えば、銀行口座はモバイルゲームのログインよりも認証レベルが高くなる、といった具合です。

カウフマン氏によれば、Project Abacusはテスト運用段階にまできており、2016年夏ごろには複数の大手金融機関で試験を開始し、うまくいけば2016年末までに全てのAndroid開発者に提供されるとのこと。


本当にProject Abacusが一般ユーザーに提供されればものすごく便利になりそうですが、パスワード入力や指紋認証と比べて安全性がどうなっているのか気になるところであり、また、センサーを常時動作させることによるバッテリーへの影響も考えられるので、テスト運用の結果がどうなるのか、続報に期待がかかります。

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in セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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