Google Earthのデータベースは「3ペタバイト」をはるかに超えている？

2005年6月にリリースされた無料で使えるバーチャル地球儀アプリケーションが「Google Earth」です。衛星写真、地図、地形、建物の3D表示などさまざまなコンテンツを扱うことができる同アプリですが、これを実現するためにどれくらいのサイズのデータがデータベースに保存されているのかをGoogle Earth Blogが計算しています。

How big is the Google Earth database? - Google Earth Blog
http://www.gearthblog.com/blog/archives/2016/04/big-google-earth-database.html

・3Dイメージ：1024TB
現在のGoogle Earthで3Dイメージがカバーしているエリアは、実際の面積で言うと約52万4000平方キロメートル分です。画面を拡大しまくり、1平方キロメートル当たりの3Dイメージのデータ量をキャッシュから推定すると、おおよそ2GBほどであったそうです。これを基に3Dイメージ全体の容量を計算すると、約1024TBになります。

・デフォルトで表示されている航空写真：179TB
国の面積についてはWikipediaのリストを参考にして計算されています。

アメリカ大陸はほとんどの地域を航空写真がカバーしており、その面積は約766万平方キロメートルにも及びます。続いてヨーロッパの国々は、ポルトガル・スペイン・イタリア・フランス・イギリス・ドイツ・オランダ・チェコ・オーストリア・モンテネグロ・ギリシャ・デンマーク・スイス・ベルギーの約50％を航空写真でカバー。日本の航空写真カバーエリアもだいたい50％ほどで、これらすべてを合わせると150万平方キロメートルになるそうです。そして、残りの地域の航空写真カバー面積は、アメリカの航空写真カバーエリアの5分の1ほどになる模様。

加えて、航空写真は100平行キロメートル当たり約2GB程度のデータ容量になるとのこと。これらを踏まえて航空写真のトータル容量を計算すると179TBとなります。

・衛星写真：196TB
南極大陸を除き、世界の大陸は約半分ほどが高解像度の衛星写真でカバーされています。この「高解像度の衛星写真」がカバーしている面積は6363万8000平方キロメートルで、100平方キロメートル当たり0.3GB程度のデータ容量となります。対して、低解像度の衛星写真は100平方キロメートル当たり18MBしかデータ容量しか必要としません。

これらのデータから各解像度の衛星写真のデータ量を計算すると、高解像度版が186TB、低解像度版が10TB。合計で196TBとなります。

・過去に使用された写真：1618TB
最も推定するのが難しいのがこのデータ量。アメリカ大陸はどの場所でも平均して6回も航空写真が更新されているので、過去の写真データは同じエリアにつき6枚あると推測できます。すると、766万平方キロメートル(アメリカ大陸の航空写真カバーエリア)のデータ容量が150TBなので、これの6倍が過去データの総量となり、これは単純計算で約900TBになります。

アメリカ大陸以外の航空写真は4回更新されており、これを基に日本とヨーロッパの過去の航空写真データを計算すると、118TBとなります。そのほかの地域では高解像度の衛星写真が4回ずつ更新されているので、既に使用されていない過去のデータは合計527TBも存在することになります。さらに、世界の陸地部分うち1％は、20回以上高解像度衛星写真を更新しているので、これらのエリアの過去データを合計すると約75TBになります。

そしてこれらを全て合計すると、過去に使用されたデータの総量は1618TBと推測できます。

By Niek Sprakel

・合計データサイズは3ペタバイト
ここまで計算してきた全てのデータを合計すると、3017TB(約3ペタバイト)となります。データの内訳は以下の通り。

Google Earthがスタートしたばかりの2006年にもGoogle Earth Blogは同様の推測を行っており、その際の推定データ量は合計150TBでした。わずか10年でデータベースに保存されているデータ量は20倍以上に膨れあがっている、というのは驚くべきポイントです。

なお、Google Earth Blogは「過去に使用された写真」の総量は正確に推測できておらず、アプリケーションの中に登場するテキストなどのデータも一切考慮に入れていないため、推定データ量は正確なものではないとしています。また、旧タイプの3D写真のデータ量についても完全に無視しており、これらも含めればより膨大なデータになるはず、としています。