無人島で7年間遭難した人のSOSがGoogle Earthで発見された件はデマだったと指摘される

By Richard Guthnur

2014年3月にニュースサイトのNewshoundが「無人島に漂着した女性がビーチに巨大なSOSを書いておいたところ、Google Earthを見ていた子どもがこのSOSを発見、救出につながった」という、奇跡に近い感動的なニュースを報じました。しかしながら、複数のメディアが調査したところ、報じられた内容がデマであると指摘しています。

snopes.com: Google Earth Finds Woman Trapped on Deserted Island for 7 Years
http://www.snopes.com/inboxer/hoaxes/googleearth.asp

Did Google Earth Find a Woman Stranded on a Deserted Island for 7 Years? | wafflesatnoon.com
http://wafflesatnoon.com/google-earth-finds-woman-deserted-island/

Newshoundの記事には、嵐によって遭難し無人島にたどり着いたジェマ・シェリダンさんが、Google Earthによって救助されたことが詳細に記述されています。

記事はシェリダンさんの「あれはある朝のことだったんです。けたたましい飛行機の音が聞こえてきて飛び起きてビーチに走りました。それまで飛行機が無人島の近くを飛んでいることなんて一度もなかったので、本当に信じられませんでした。ビーチにたどり着いたら、腕を大きく広げて、力一杯叫びました。すると、飛行機が小さい荷物を私の方に放り投げてくれたんです。荷物の中には食べ物や飲み物、その他にラジオが入っていました。ラジオのスイッチを入れて、何年かぶりに人の声を聞きましたよ。ラジオの向こう側にいる人に『どうやって私を見つけたの？』と聞くと、その人は『ある子どもがあなたの書いたSOSをGoogle Earthで見つけたんです！』と言っていました。Google Earthが何なのか、私は理解できませんでしたけど」という、かなり詳しい内容のコメントを紹介しています。

こちらが「シェリダンさんの書いたSOS」として、記事に掲載されていた画像です。

しかしながら、記事に情報源が一切記されていないことを不審に思った複数のメディアが調査を行なったところ、Newshoundの記事がデマである可能性が浮上。例えば、上記の「シェリダンさんの書いたSOS」の画像は、アメリカ科学振興協会が2010年にキルギスタン南部で起こった部族間紛争を撮影した衛星写真に酷似していることが判明しました。

さらに、記事内の文章が、イギリスの新聞Daily Mailが報じた「エド・スタッフォードさんが無人島で60日間生き抜いた」という記事の文章にかなり似ていることも判明。

下記画像の上側がDaily Mail、下側がNewshoundの実際に掲載された記事の文章です。赤線部分は文章が完全に同じ箇所で、赤枠部分は酷似している箇所を示しています。2つの記事を見比べると、シェリダンさんはスタッフォードさんが漂流した無人島にそっくりな無人島にたどり着き、スタッフォードさんとほとんど同じ方法で生き抜いたことがわかります。

「今回のNewshoundの記事がデマである」と指摘するsnopesによると、Newshoundは過去にも数々の怪しい記事を掲載してきたとのこと。記事執筆現在、Newshoundを閲覧しようとするとURLが「http://mogul.ws/」の「Lolery」というニュースサイトに飛ばされます。一方で、「http://lolery.com/」というURLを開いてもLoleryに飛ばされ、何が何やらよく分からない状態になっています。