物体を遠隔地にリアルタイムかつ精密に出現させられる「holoportation」でコミュニケーションの形が激変する可能性
現実世界に仮想の情報を3Dホログラムで作ることができるMicrosoftの「HoloLens」は、双方向に活用することでコミュニケーションツールとして活用することも可能です。HoloLensを使った双方向3Dモデリング「holoportation(ホロポーテーション)」を使えば、コミュニケーションにとって障壁となっている「距離」は問題ではなくなるようです。
holoportation - Microsoft Research
http://research.microsoft.com/en-us/projects/holoportation/
holoportationの凄まじさは以下のムービーを見れば一発で理解できます。
holoportation: virtual 3D teleportation in real-time (Microsoft Research) - YouTube
「近い将来のコミュニケーションの方法をがらっと変えるエキサイティングな技術『ホロポーテーション』をお見せしましょう」と語るMicrosoft ResearchのShahram Izadi氏。
「数千キロメートル離れた場所へ瞬時に移動するテレポーテーションを想像してください」と話すIzadi氏の後ろに男性が突如として現れました。リアルタイムに遠隔地にあるものを3Dモデルとして移動させる技術がホロポーテーションで、移動させることはテレポーテートならぬ「ホロポーテート」と呼んでいる模様。
「やあ、元気?ホロポーテートした気分はどうだい?」
ここでヘッドセット「HoloLens」を互いに装着。HoloLensを装着することで、お互いの姿がホログラムで確認できるようになります。
「さあ、こっちにきて」と男性を部屋の一角に案内するIzadi氏。
男性が座る椅子自体もホログラムで、Izadi氏のいる部屋には存在しない物です。
会話をしながらハイタッチ。物体の位置をリアルタイムで正確に3Dモデリングできるホロポーテーションならでは芸当。
「じゃあね、バイバイ」
男性は消えました。
ホロポーテーションはヘッドセットHoloLensを使った3D映像をリアルタイムで双方向にやりとりできる技術です。周囲に配置された複数台のカメラで物体を周囲から撮影して、造形を3Dモデルとして正確にかつリアルタイムで作成することが可能。
Izadi氏を撮影していたこのカメラは、実はホロポーテーションユニットを搭載済み。そのため、あたかもHoloLensを装着しているかのように3Dホログラムをリアルタイムで表示することができていたというわけです。
ホロポーテーションを使えば3Dホログラムを異なる場所にリアルタイムで写し出せます。
もちろん、自分の姿を自分の目の前に映し出すことも可能です。
右を向けば、目の前のホログラムも右を向きます。鏡の中の"反対の世界"でしか見たことのなかった自分の姿を、真実の姿として見られます。
このホロポーテーションを使って遠隔地にいる家族とコミュニケーションするとこんな感じになります。
HoloLensを装着すると、遠隔地にいるIzadi氏の娘が目の前の空間に登場しました。「パパ、元気?」「元気だよ、リリア」
「何をして遊んでるの?」と聞くIzadi氏。
会話しながら部屋を歩き回るリリアちゃん。
「いつ帰ってくるの?」「すぐに帰るよ」
「パパにおもちゃを見せて」
「この子はティナっていうの。かわいいでしょ」
「リリア、このイスにのぼってくれる?」
「1、2、3と数えるからジャンプしてみて。」
「1、2、3……ジャンプ!」でジャンプするリリアちゃん。タイムラグはほとんどありません。
「ありがとう。バイバイ」
「これはホロポーテーションコミュニケーションの一例です。ホロポーテーションは違うこともできます」とIzadi氏。
ホロポーテーションは記録したセッションを再生可能。自由に巻き戻してホロポーテーションコミュニケーションを見直すことができます。
近づくとこのクオリティ。この場にいなかった他の人が、あとからやりとりを確認することも可能です。
さらに、ホロポーテーションコミュニケーションは自在に拡大・縮小できます。
テーブルの上でやりとりを閲覧することができるというわけです。
3Dホログラムは360度あらゆる方向から確認できます。
デモを見る限り、3Dモデルの造形は極めて自然でタイムラグも極小。ホロポーテーションは、近い将来のコミュニケーションの形を激変させる可能性を秘めていそうです。
・つづき
拡張現実で遠くにいる人とまるで目の前にいるかのように話ができる「Mobile Holoportation」 - GIGAZINE
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