「頭の中で自分と戦って疲れてしまう人」への解決案、世界的写真サイト「500px」の創業者の場合

by dajoelro

多くの人が仕事に追われる現代において、人々の精神面での健康は崩れやすく、期待や責任を負う立場であればなおさらです。世界的に有名な写真コミュニティ「500px」の創業者Evgeny Tchebotarevさんもメンタルヘルスに問題を抱え、かつ周囲の人の理解が得られず苦しんだとのこと。そんなTchebotarevさんが、頭の中で自分と戦って苦しんでいる人に向けて、やってはいけないこととやるべきことをリストアップしています。

The Founder’s Battle For Mental Health — Hacker Daily — Medium
https://medium.com/hacker-daily/the-founder-s-battle-for-mental-health-c5d8eaff09c

1980年代のソビエト連邦で生まれたTchebotarevさんは、「メンタルヘルスにのみついて言えば、80年代のソビエト連邦出身と60年代のアメリカ出身は、ほぼ同じような環境にいた」と語っており、当時は精神の状態を崩した人が誤解されたり無視されたり、「変人」の烙印を押されていたことを明かしています。

近年になり、うつやメンタルヘルスに書かれた本は多く存在しますが、それでも誤解は存在し、安易に肯定したり、ひどい時には「あなたは間違っている」と本人の意見を否定する人も存在するとのこと。

テクノロジー企業で働く人は、毎日コンピューターとにらめっこし、例え人の多いオフィスでも孤独を感じることがあるはず。特に、創業者であれば深い孤独を感じていたり、うつ状態にあったり、状況の変わりやすいスタートアップで大きなストレスを感じていたりします。

by Tessa Kongkeattikul

スタートアップは、どんなにひどい状況にあっても成功を目指さなければ行けません。つまり、成功するまでは嘘であっても常に「状況はよくなる」と見せかけなければならないのです。また、シリコンバレーでは失敗談を話すことが受け入れられていますが、これも裏を返せば「失敗談を聞く人は無言のうちに相手の成功を望んでいる」ということであると、Tchebotarevさん。常に相手の期待にさらされているのは、想像以上のストレスです。

Tchebotarevさんは常に以下の質問に自答していたとのこと。

1：自分は自分にできることを全てやっているか？
2：自分は成長しているか？会社はどうか？
3：スタッフたちが最大限の力を発揮するためにはどうサポートすればいいか？
4：今の自分が持っているものに満足して、嫉妬心をなくすにはどうすればいいか？
5：成長するスタッフたちの可能性を殺していないか？ちゃんと生かすことができているか？
6：今やっていることはポジティブな変化を生み出すものか？

これらについて自問自答し、時には一日のうち何時間も頭を悩ますこともあった、とTchebotarevさんは語ります。現実の誰かと戦うのと違い、上記の自問自答を繰り返す時に戦うのは、自分の弱点も何もかもを知り尽くした「自分自身」であるため、勝つのが難しく、戦いに終わりはありません。戦いを繰り広げているとどんどん精神が衰弱していってしまうため、自分との戦いにおいて大切なのは、自分の感情を理解し、互いに助け合える人々を見つけ、自分自身に満足することだとのこと。

Tchebotarevさんは自分自身との戦いを繰り広げてしまう人に対して、以下のものが助けになるとしています。

1：友人
2：瞑想、目を閉じての呼吸法
3：ヨガや運動
4：ドッジボールや卓球など、勝ち負けのある競技
5：1人、あるいは友人などと長距離の散歩を行うこと

一方で、以下の物事については避けるべきとも助言しています。

1：出会い系アプリに時間を割く
2：常にTwitter・FacebookなどのSNSをチェックする
3：セレブのゴシップなど、自分と関係のないニュースを見る
4：Facebookで「いいね！」がつくのを待つ
5：自分を悲しくさせたり怒らせたりする人と会話する

by Ross Moody