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新しい仕事に就く時に職場で尋ねるべきたった一つの質問とは?

by Susanna A.

就職する際には誰もが「いい職業に就きたい」と考えるものですが、いい職業とは一体何なのか、どのように見極めればいいのかについて、アメリカ・ペンシルベニア大学のビジネススクールのひとつ、ウォールトン・スクールで経営学と心理学の教授を務めているAdam Grant氏がThe New York Timesに寄稿しています。

The One Question You Should Ask About Every New Job - The New York Times
http://www.nytimes.com/2015/12/20/opinion/sunday/the-one-question-you-should-ask-about-every-new-job.html


Grant氏は、数年前に学生のNicoleさんから「何の職業に就けばよいか悩んでいる」と相談を受けました。Nicoleさんは金融、テクノロジー、コンサルタント、マーケティングなどあらゆる職種に幅広く就職活動を行っていましたが、ある時に「自分が心配しているのは、どの仕事に就くのかよりも、どんな職場で働くのかという点だ」と気付いたそうです。

いい職業に就きたいと考える際には、多くの人は仕事の内容に着目しています。いい肩書きや役職、給料の高い仕事を探すことも大事ですが、「企業文化(社風)」も他の要素と同じくらい重要だとGrant氏は語ります。企業文化とは、組織の価値観や基準、慣習のことで、仕事の幸福度や成功に巨大な影響を及ぼします。しかし、働いたことのない会社の企業文化をどうやって見極めるのでしょうか?

そこでGrant氏は、Nicoleさんに「この会社が他の会社と異なるのはどのような点ですか?」と聞くことを勧めました。この質問を行うと、相手の答えが会社の物語を語るような口調に自然となります。Nicoleさんは就職の際に社内のさまざまな階級の人にこの質問をすることで、全員が共通の話題に触れることが分かったそうです。さらに他の企業でも質問したところ、すべての会社で答えに含まれる物語の流れがほとんど同じだったそうです。

by COD Newsroom

Grant氏が過去の研究をあたったところ、スタンフォード大学のJoanne Martin教授率いる研究チームが1983年に発表した「企業文化における独自性のパラドックス」という研究を発見しました。この研究は、従業員が職場について話す物語を分析したもので、研究結果からは、会社の内部で「独自性のゆがみ」があると判明しています。つまり、人々は自分の働いている会社の社風を、実際の状況よりも特殊であると考える傾向にあるということです。さらにMartin教授は、「会社規模の大小や職種に関わらず、あらゆる企業の社風は7つの筋を組み合わせて構成されている」ことを発見しました。Grant氏は7つの内、以下の4つの筋は現代でも同じように通用すると分析しています。

◆1:上司は番長気質か?
他の社員の誰よりも偉そうに振る舞うことができる立場の、権威のある人が社内にいるかどうかという点です。例えば保険会社の社長がずっと電話番の仕事をしているような場合、社長は社内でトップの地位に就いているにも関わらず他の誰にも居場所を譲らない頑固者であり、社内に権威的な雰囲気が保たれます。

◆2:誰でも昇進できるか?
アメリカ人小説家のホレイショ・アルジャーの作品に多く見られる、いわゆる「アメリカンドリーム」をかなえられるような社風かどうかという点。例えばサウスウエスト航空の現CEOであるコリーン・バレット氏は、元CEOのハーバート・ケレハー氏の秘書からキャリアをスタートさせて、現在は同社のCEOを務めています。また、ジェームス・L・ジーマー氏はハーレーダビッドソンの貨物エレベーター操作員として働き始めて、取締役社長兼CEOにまで昇進しました。このような会社では、平社員が昇進を夢見てすばらしい業績を上げることができます。

◆3:解雇に対して不安を持っているか?
会社が従業員の一時解雇を決定しなければならない局面もありますが、その際に雇用主はどのような行動をとるかという点は従業員にとって非常に重要です。例えばウォルマートの元CEOであるマイケル・デューク氏は、会社が1920万ドル(約23億円)の収益を上げている時期に1万3000人以上の従業員を解雇しました。一方で、証券会社チャールズ・シュワブの上級役員は、経営難に陥った際に自分たちの給料を下げることで、一時解雇した従業員にボーナスを支給しました。

◆4:ミスを犯してしまった際に、上司がどのように反応するか?
多くの企業では、大きなミスを犯した従業員は解雇される可能性があります。しかし、例えば1960年代のIBMでは、ある従業員が1000万ドル(当時のレートで36億円)の損失を生むミスを犯してしまった際に、当時のCEOのトム・ワトソン氏は従業員を自分のオフィスに呼んで、「ただ、君を教育するのに1000万ドルかかっただけだ」と語ったそうです。

以上の4つの筋を詳しく見ていくと、「会社の社風は、3つの基礎的な問題に対応している」とGrant氏は語ります。1つ目は「会社が公平な場所かどうか」、2つ目は「この会社で働いても安全か」、3つ目は「会社に人生を託せるかどうか」という3点です。例えば上司が番長気質で、平社員がトップへ上りつめることができ、収益が下がっていたり社員がミスを犯したりしても雇用主が従業員を守る社風であれば、その会社は公平で、安全で、管理しやすいと言うことができます。

by Brittany Randolph

また、MITの心理学者エドガー・シャイン教授は、著作の「Organizational Culture and Leadership」の中で、企業文化で最も目に付きやすいのは、人々の話し方、見ているもの、ふるまいであると語っています。例えば社員同士が冗談を言い合っていたり、デスク周りを各自が好きなもので飾っていたりする会社は、明るい社風の会社だと言えるとのこと。ただしGrant氏は企業文化で価値観が最も大事だと考えていて、「社員が何を重要視しているのか、どのような価値観に基づいて行動しているのかを見極める必要がある」と語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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