Wi-Fiのような無線信号を使って壁の向こうの人を探知可能に
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、無線信号を用いて壁の向こうにいる人の姿や動きを探知できるシステムを開発しました。
RF-Capture: Capturing the Human Figure Through a Wall
http://rfcapture.csail.mit.edu/
「RF-Capture」と呼ばれるシステムがどのように動作するのかは、以下のムービーを見るとわかります。
Capturing a Human Figure Through a Wall using RF Signals - YouTube
左側の棚に置かれているのがMITの開発した端末、壁の向こうの隣の部屋に人がいます。
扉を閉めると人がいるかどうかわからなくなりますが……
端末はこのように人の姿を認識していました。
飛ばした無線の戻り具合で壁の向こう側の状況をチェックし、人の姿を探知しているとのこと。マイクロ波を飛ばすレーダーと似たようなものですが、この端末の出力は携帯電話の1万分の1だとのこと。
当然ながら、壁の向こうを人が移動していても探知可能。
その場合、移動中の様子のデータを重ねて処理することで、画像右側のような像を作り出します。
壁の向こうに立つ人が変わると、見える像もこのように変わります。
なんとなく、どんなポーズをしているのかもわかります。
トラッキング性能をKinectと比較したのが以下の図。右側に追跡結果が出ていて、青い線がMITの端末、赤い線がKinectによるもの。誤差はわずかです。
その探知精度は、室内にいる人が呼吸したときに胸部が膨らんでいるのが屋外からわかるほどだそうで、子どもの見守りセンサーや、火事の時の在宅・不在確認などに活用できるのではないかと期待されています。研究内容は、11月2日(月)から11月5日(木)に神戸で開催されるシーグラフアジア2015にて発表されます。
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