生き物

大地に埋まった地雷を嗅ぎ分け地雷除去処理を助ける地雷探知犬の過酷な任務とは?


地雷は安価に設置できる兵器ですが、戦闘・紛争終了後に処理するのに極めて高額な費用がかかる兵器としても有名です。そんな厄介な地雷を発見するために地雷探知機の代わりに地雷を探知する「地雷探知犬」が日夜過酷な任務を遂行しています。

The Dogs That Sniff Out Land Mines - Modern Farmer
http://modernfarmer.com/2014/06/dogs-sniff-land-mines/

マーシャルレガシー研究所(MLI)は、戦争で荒廃した地域の苦しみを軽減することを理念として1997年に設立された非営利組織で、地雷を探知し除去作業を補助する「地雷探知犬」を育てる地雷探知犬パートナーシッププログラムを開発しています。MLIによると、MLI出身の地雷探知犬の活躍で、最近2年間で世界24カ国の1400万平方メートルの大地から地雷を除去し、安全な土地にすることに貢献したとのこと。

By United Nations Photo

アメリカ軍に22年間所属し、そのうちの12年間を軍用犬トレーナーとして従軍したダン・ヘイター氏は、MLIの共同経営者を務め、また現役の地雷探知犬トレーナーとして犬を訓練しています。ヘイター氏によると、地雷探知犬には類いまれな繊細な注意力と集中力が求められるとのことで、空港で爆発物をかぎ分ける爆発物探知犬と地雷探知犬ではまったく任務の種類が異なるとのこと。「爆発物探知犬は建物・荷物・車両などから目的物を探すため、犬にとって任務はある種『楽しい作業』です。しかし、地雷探知犬の探す範囲は広大な大地で、反復作業を延々と繰り返す単調で厳しい作業なのです」と語ります。

ヘイター氏は、地雷探知犬にはジャーマン・シェパードよりもベルギー産のベルジアン・シェパード(通称マリノア)が適していると言います。これは、地雷探知犬が従順かつ優秀なのはもちろんのこと、アフガニスタンのような灼熱の大地から極寒の大地まで異なる環境がある戦闘地域でも適応できる犬種が求められているからだとのこと。


訓練された地雷探知犬はプラスチックと金属爆発物を嗅ぎ分けるだけでなく、土壌中の重金属にも鋭敏な反応が可能で、なおかつ体重が軽いため、万一、地雷を踏んだとしても爆発させる危険性が小さいとのこと。「地雷探知犬の任務における死亡率は3~4%です。正確な統計については分かりませんが、地雷探知作業を行う人間よりも少ないです」とヘイター氏は述べています。

なお、MLIはオランダ・ベルギー・チェコスロバキアの信頼できるブリーダーから優秀な犬を提供してもらっていますが、すべての犬が訓練に耐え地雷探知犬として育つというわけではなく、ドロップアウトした犬は麻薬犬としての新しい道を歩むためにヨーロッパに送り返されるとのことです。

ヘイター氏によると、地雷探知犬の任務は極めて過酷で、PTSDを発症させ任務から退く犬も多いとのこと。ヘイター氏は地雷探知という過酷な任務で疲弊し退役した犬のために新しい家族を見つける努力も怠っていないとのこと。modern farmerの記者から、「あなた自身でペットは飼っていないのですか?」という質問に対して、「すべての地雷探知犬は私のペットです。私は訓練所で寝泊まりしているのですから」とヘイター氏は答えています。

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in 生き物, Posted by darkhorse_log

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