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動物を兵器として扱う7つのとんでもない試み


ポエニ戦争でローマを苦しめたハンニバルの戦象、チンギスハンや武田信玄の騎馬軍団など、戦争の中で人間のそばには数々の動物の姿があり、そして共に戦って散っていきました。やがて人は動物をなんとか兵器として使えないかと研究を始め「4本足の爆弾」としての試みを実行に移しました。とても平和な時代には考えられないことですが、事実、7つのケースが存在します。

詳細は以下から。
7 Insane Military Attempts To Weaponize Animals | Cracked.com

1.ネズミ爆弾

by Big Fat Rat Creative Commons

1941年はイギリスにとって暗い年で、ヨーロッパの半分はドイツの手に落ちて連日ロンドンは爆撃に晒され、輸送船はUボートに沈められていました。四方八方から攻撃されたイギリスは調査の結果、ドイツは背後がおろそかになっているのではないかと考え、ネズミ爆弾を思いつきました。これはネズミの死体に大量の爆発物を詰め込んだもので、計画では石炭とともに運ばれたネズミ爆弾がドイツ全土に広まり、どこかでボイラーの中へ放り込まれれば熱で爆発するというものでした。もし成功すればドイツのインフラに大きなダメージを与えていたかも知れません。しかしドイツは一番最初のネズミ爆弾を輸送する段階でこれに気づき、石炭にネズミの死体が紛れ込んでいないかを念入りに調べるようになったため、イギリスはこの計画を放棄しました。

2.燃える鳥とコウモリ爆弾

by edwindejongh Creative Commons

昔から人間は鳥を武器として使えればと考えていたようで、もしも城壁のある都市に巣を作っている鳥に火を付け、その鳥が巣に戻ったら大変なことになるだろうということが中国の唐や明の戦術指南書に書かれており、10世紀のキエフ太公比オリガや11世紀のノルウェー王ハーラル3世はそれぞれ実際に成功させたそうです。この戦術の可能性を引き出したのは第二次世界大戦時のアメリカの口腔外科医ライル・S・アダムスで、鳥の代わりに何百万匹ものコウモリを使うことを提案しました。コウモリの脚に小型爆弾を取り付けて何千匹といった単位で特別な爆弾に詰め、目標上空でこのコウモリ詰め爆弾を投下。爆弾はある程度の高度になると外側が破れるようになっていて、そこからコウモリが飛び出していくという仕組みだったようです。夜明けになるとコウモリは眠るために暗い場所に身を潜めるので、あとはタイマーで爆弾を爆発させるだけ。最初の結果はなかなかのものでしたが、原子爆弾の開発が始まったため軍部はコウモリ爆弾から手を引きました。

3.ネコ爆弾

by fofurasfelinas Creative Commons

第二次世界大戦では船舶への攻撃時に急降下爆撃が行われましたが、最新鋭機に乗るベテランパイロットでも爆撃に失敗することがあったため「ネコ爆弾」が考え出されました。これはネコが水を嫌うという性質を利用しており、船に向かってネコをくくりつけた爆弾を落とせば、水に濡れたくないネコは少しでも船に近づこうと爆弾を誘導するのではないかというアイデアだったようです。しかし、体重わずか5kg足らずのネコがどうやって500ポンド(約250kg)の爆弾を誘導するのかということは明瞭ではありませんでした。結局、このプロジェクトは試験段階を通過できませんでした。

4.ラクダ、ラバ、馬、ロバ

by ecreyes Creative Commons

1978年、ソビエト連邦はアフガニスタンに侵攻しました。これに対してCIAはアフガニスタン国内のレジスタンス・ムジャヒディンを訓練し装備を与えましたが、長期的なビジョンによるものではありませんでした。現在、世界のいろんな国で戦うゲリラの主力武器の一つは自動車爆弾になっていますが、当時のアフガニスタンには車がなかったため代わりにラクダに白羽の矢が立ちました。ソ連は結局1989年にアフガンを撤退、そこにラクダ爆弾が影響を与えたのかどうなのかは不明ですが、荷役に使う家畜を爆弾として使うという発想だけは他にも影響を与え、インドではラバ爆弾、コロンビアでは馬爆弾、パレスチナではロバ爆弾が登場しました。

5.対戦車犬

by Marvin Stelljes Creative Commons

イギリスにとってひどい年だった1941年はソビエトにとってはもっとひどい年でした。6月にドイツが機甲師団を先頭にしてソビエト領内になだれ込んできましたが、ソビエトには対戦車兵器が著しく不足していました。そこで目を付けられたのが犬で、戦車の真下に隠してある食物を探すように訓練された犬が対戦車犬となりました。

戦車に立ち向かう対戦車犬の写真。背中に直立したレバーが取り付けられており、犬が戦車の下に潜り込むとレバーが倒れて爆弾が起動し爆発するという仕組みでした。


結果は複雑なもので、詳細不明ながらドイツ戦車300輌を撃破したと言われていますが、訓練時にソビエト戦車を使ったために自軍に戻ってくる犬も多かったそうです。1942年に対戦車犬によってソビエト軍が甚大な被害を受けたため、それ以後は使用されなくなりました。なお、1945年以降のソビエト軍の報告書には、1940年代の終わり頃にインドシナのベトミンが対戦車犬を使用したという記録があるそうです。

6.対地雷猿

by Jasmic Creative Commons

イラクは自動車爆弾、道ばたの爆弾、昔ながらの地雷などが転がる危険な土地となっており、それらをなんとか素早く除去する必要がありますが、その手段の一つとして考えられているのが猿を使った方法です。モロッコが「地雷を検知する猿を訓練しているから」として提案したものですが、その検知方法というのはどれか一匹の猿が地雷を踏むまで突っ込ませるというもの。アメリカはこの提案を丁重に断ったそうです。

7.核兵器搭載クジラ

by rubonix Creative Commons

50年前、世界は核戦争による全滅の瀬戸際にありました。冷戦の東西両側は究極の抑止力(防備のない敵を攻撃する方法)を求めて何兆ドルもかけましたが、ミサイル、爆撃機、潜水艦はそれぞれ欠点がありました。他に核弾頭を搭載できるものはないかと探し出されたのがクジラでした。アメリカ軍がイルカとアシカを機雷探査に使っているというのは有名ですが、以前海軍でクジラトレーナーをしていた人物によると海軍はシャチを使って敵海岸まで核兵器を運ぶという検出不可能な攻撃を計画しているとのことで、アメリカ軍がこれらを否定していることこそ本当である証拠なのだそうです。

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in メモ, Posted by logc_nt

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