約8兆円というIT業界史上最大となる金額でデルがEMCを買収

By Robert Silverwood

ハードウェア・ソフトウェア開発だけでなくITソリューションを提供しているデルが、世界最大のストレージ機器開発企業のEMCをIT業界では史上最大となる670億ドル(約8兆422億円)で買収する事が明らかになりました。

Michael S. Dell, MSD Partners and Silver Lake Lead Transaction to Combine Dell and EMC, Creating Premier End-to-End Technology Company | Dell
http://www.dell.com/learn/us/en/uscorp1/secure/2015-10-12-dell-emc-transaction

デルの発表によれば、デルと同社の会長兼最高経営責任者のマイケル・デル氏が投資会社のMSD Partners・Silver Lakeと組んで、IT機器大手のEMCおよびその傘下のRSA、Pivotal、VMwareを約8兆422億円で買収するとのこと。ただし、デスクトップPCとサーバの仮想化用ソフトウェアを製造・販売するVMwareについては、買収後も引き続き独立した公開企業として存続していきます。

By Bob Mical

サーバ市場でHPに次ぐ大きなシェアを持つデルが、ストレージ市場でトップを走るEMCを買収することで、デルは法人向けITインフラ市場でHPやIBMと肩を並べる企業になると見られています。約8兆422億円という巨額の買収額はIT業界史上最大となりますが、デルは買収により約5兆4000億円の負債を背負うことになるそうです。

同社のマイケル・デル氏は「EMCを買収することでデルは新IT時代に対応する世界最大規模の企業になるでしょう」と話しており、今後はセキュリティ分野に注力し製品計画を発表する予定。The New York Timesによると、デルは低迷していたPC事業から移行するべく数々の買収を繰り返してきているとのことで、ITインフラ提供にさらなる拍車がかかりそうです。

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なお、買収は2017年2月までに完了する予定ですが、EMCは今後60日間でデルを上回る条件の買収提案を募っています。デルによるEMCの買収は約500億ドル(約6兆円)になると見込まれていましたが、実際には予想を大きく上回る金額となりました。