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青函トンネルを越えた世界一長い「ゴッタルドベーストンネル」がついに完成


アルプス山脈を縦貫する鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」がついに完成し、青函トンネルにかわって世界一長い鉄道トンネルの誕生となりました。

World's longest tunnel completed - Business Insider
http://www.businessinsider.com/worlds-longest-tunnel-switzerland-2015-8

これまで世界で一番長かった鉄道トンネルは全長53.85kmの日本の青函トンネルですが、ゴッタルドベーストンネルの全長は57kmであるため、青函トンネルは「世界一長いトンネル」の座を譲り渡すことになります。ゴッタルドベーストンネルの鉄道の試験運転は10月1日(現地時間)に行われる予定で、2016年6月から最初の旅客列車、および貨物列車の運転を開始する予定です。


トンネルは「ブルーバナナ」と呼ばれる、およそ1億1100万人が暮らす人口密度の高い地域を通っています。列車はトンネル内を時速247kmで走行でき、スイス~イタリア間の所要時間はこれまでの交通手段より約1時間早くなる上、従来のルートの2倍となる4000トンもの貨物を輸送できるようになります。そのため、ヨーロッパ南北のルートに沿った貿易に大きな影響を与えると見られています。


1999年から始まったトンネル工事には、約2000人の作業員により、昼夜を徹して3100万トンの土砂が運び出されました。これはトラック200万台に相当する莫大な量です。


トンネルは非常に長く、作業員が坑内を移動する際には折りたたみ自転車が使われました。


実際に使われていたドイツ製のトンネル掘削機は、毎日約30.5メートルの硬い岩石の層を削っていたとのこと。超硬質の片麻岩・花崗岩の層を掘削するときは、オーバーヒートを防ぐために水をかけて冷却することが必要。


しかしながら、トンネル掘削作業は危険を伴うもので、建設期間中に8人の労働者が命を落としました。トンネル内部には同僚たちの手により、小さな記念碑が作られています。


そうしてゴッタルドベーストンネルは世界一の鉄道トンネルとして完成。2016年6月には50万人が訪れる開業記念フェスティバルが行われる予定で、その中から抽選で1000人だけが、初めてゴッタルドベーストンネルを抜ける鉄道旅行の切符を手にできるとのことです。


また、旅客列車の安全性がどのようにして確保されているのか、ということは以下のムービーで解説されています。

The journey through the tube - Safe passage through the Gotthard Base Tunnel - YouTube


もし乗客の荷物から煙が出るなどの異常事態が発生すると、鉄道システムが自動的に検知して緊急オペレーションに切り替わり……


速やかに緊急事態であることが鉄道会社に伝えられます。


同時に、換気システムは煙などを排出するための適切な換気量で運転を開始。


すぐ近くの駅ではライトが点灯。駅のドアが開放され、換気システムから送られた空気がトンネル内へと送り込まれます。


列車が駅に到着すると、乗客はそのまま開放されているドアから脱出し、発生した煙は換気システムによって排気口から排出されるという対策がとられています。

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in メモ,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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