無料でストリーミング用に画質の異なるムービーを一気に爆速エンコードできる「bitcodin」を使ってみました
ストリーミングムービーを作るには、データ転送速度に合わせて最適化された画質の異なるムービーを複数作る必要があります。そのような複数のムービーを、一般的なエンコードサービスの100倍の速度でエンコードして作成できるのが「bitcodin」です。本当に爆速でムービーエンコードできるのか、フルHDムービーをエンコードしてみました。
bitcodin Video Encoding Service for Adaptive Streaming
https://www.bitcodin.com/
上記サイトのテキストボックスにメールアドレスを入力して、「SIGN UP FOR FREE」をクリック。
アカウント登録画面になるので、自動的に入力されたメールアドレス以外に、名前、会社名(該当する場合)、パスワードを入力して、「SIGN UP FOR FREE」をクリック。
「メールをチェックしてください」と表示されるので、登録したメールを確認します。
こんな感じのメールが届いているので、メール本文の「Activate my bitcodin Account」をクリックします。
アクティベーションが完了したので、「OK」をクリックすればアカウントの登録作業が完了です。
続いて、登録したメールアドレスとパスワードを入力して、「LOGIN」をクリック。
ログインできるとbitcodinのホーム画面が表示されます。画面中央にはエンコード済みのサンプルムービーが表示されています。bitcodinではムービーをエンコードする作業は「job(ジョブ)」を呼ばれ、jobの履歴がホーム画面に一覧表示されます。
さっそくムービーをエンコードしてみます。まずはエンコードしたいムービーを指定するために、「Add Input」タブをクリック。
ムービーはHTTP、FTP、Dropbox上のファイルを指定可能です。
今回はDropboxのムービーファイルを指定するので、Dropboxアカウントにログインした状態で、「DROPBOX」→「Select from your Dropbox」の順にクリック。
別ウインドウでDropboxに保存したファイルが表示されるので、エンコードしたいムービーファイルを指定して、「選択」をクリック。
ムービーのアップロードが終わると、画面にムービーのサムネイルが表示されます。
次に、「Select a Profile」をクリックして、アップロードしたムービーの種類に合った解像度を指定します。
すると、複数のムービーのエンコード設定が自動で表示されました。bitcodinではMPEG-DASHなどストリーミングムービー用に解像度やビットレートなどの異なる複数のムービーを一気に出力できます。
なお、ムービーのエンコード条件はカスタマイズできます。「Video Encoding Qualities」に表示されたエンコード条件のタブを展開することで、解像度、ビットレート、品質などを細かく変更可能です。
画質だけでなく音質の調整も可能です。
画質・音質の設定が完了したら、「Continue」をクリック。
ムービーストリーミングで広く使われている「MPEG DASH」と「Apple HLS」にチェックが入っているのを確認したら、「Continue」をクリック。
最後に「Start Encoding」をクリックすれば、エンコードがスタートします。今回は、337MBのフルHDムービーをエンコードしてみました。
エンコードが開始すると、空白の「Preview Player」(埋め込みムービー)が表示されるのでしばらく待ちます。
約25秒でPreview Playerにムービーが表示されました。
結局、3分とかからずムービーのエンコードが完了。たしかに爆速のエンコードスピードです。
もちろん埋め込みムービーは画質を変えたり、音量を変更したり、再生場所を変えたりと、一般的なストリーミングムービーと同様の操作が可能。このムービーはFlashやSilverlightなどをインストールすることなく再生可能です。
画面右にある「Copy M3U8 URL」をクリックすると、クリックボードにエンコードしたムービーファイル(M3U8形式)のURLが保存されるので、Internet Explorerなどで開くと……
M3U8形式のムービーを保存可能です。
なお、「Download」をクリックすると、エンコードしたすべてのムービーデータをZIPファイルで保存可能。
ZIPファイルを解凍すると、ストリーミングムービーの制作に必要な素材一式が保存されていました。
ムービーをストリーミング用に爆速でエンコードできる「bitcodin」はベンチャーキャピタルYコンビネータから出資を獲得したスタートアップで、ステファン・レデラー氏、クリストファー・ミューラー氏、クリスチャン・ティメラー氏というMPEGやMPEG-DASHなどの規格標準化に携わったバリバリのソフトウェアエンジニアらで運営されていることからも、エンコード品質と速度の高さは折り紙付きと言えそうです。
なお、bitcodinは無料で月に最大10本、合計2.5GBまでのエンコードが可能で、より多くのムービーエンコードができる月額29ドル(約3600円)、59ドル(約7300円)、149ドル(約1万8000円)の有料プランも用意されています。
・関連記事
YouTubeが60fpsライブストリーミング配信をHTML5対応ブラウザで可能に - GIGAZINE
動画ファイルをドラッグ&ドロップして変換できるオープンソースソフト「Mobile Media Converter」 - GIGAZINE
200種類以上のメディア形式へ動画を変換できるフリーソフト「Video to video converter」 - GIGAZINE
YouTubeに7万本以上アップされた謎の暗号ムービーの意外な正体とは? - GIGAZINE
PS3のCellプロセッサを応用、動画を爆速エンコードする拡張カード「WinFast HPVC1111」 - GIGAZINE
・関連コンテンツ