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3年ぶりに新登場のiPod touchがバラバラに分解され、CPUやGPUのベンチマーク結果まで明らかに


約3年ぶりとなる新型iPod touch(第6世代)が、現地時間の2015年7月15日から販売開始となりました。iPhone 6と同等のA8チップ&M8モーションコプロセッサを搭載しており、リアカメラも前モデルの5メガピクセルからiPhone 6と同等の8メガピクセルにまで向上しているわけですが、iFixitが早速バラバラに分解してその内部構造を明らかにしており、さらにニュースサイトのArs TechnicaがCPUとGPUのベンチマーク結果を公開することで前モデルからどれくらい性能が向上しているのかが明らかになっています。

iPod Touch 6th Generation Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/iPod+Touch+6th+Generation+Teardown/44378

iFixitが分解した第6世代iPod touchは、ディスプレイサイズは4インチ、解像度は1136×640ピクセル、画素密度は326ppi。Wi‑Fiは802.11a/b/g/n/acに対応、第5世代iPod touchはBluetooth 4.0対応でしたが、新たにBluetooth 4.1に対応しています。さらに、6軸ジャイロや8メガピクセルのメインカメラも搭載しており、スペック上はiPhone 6に非常に近いものになっています。


分解するのは(PRODUCT)REDモデル。


分解前にはX線撮影を行い内部構造を大まかに把握しています。


第6世代iPod touchはiPhone 5s以降のiPhoneとは異なり、ホームボタンにTouch IDを搭載していません。


というわけでここから分解作業がスタート。iOpenerでディスプレイパネルと筐体を固定している接着剤を温めて……


iSclackを使ってパカリとパネルを外します。


続いて、ドライバーを使ってディスプレイパネル下のEMIシールドを……


取り外します。


次はバッテリーを取り外す作業。第6世代iPod touchのバッテリーはこれまでのモデルとは少し異なる接着方法になっているそうで、「これはiPhone 5s以降で見られた、より安全にバッテリーを固定するためのテクニックである」とiFixit。なお、第6世代iPod touchのバッテリー容量は1043mAhでした。


バッテリーを取り外すと、その下からLightningコネクターやスピーカー、ヘッドホンジャック、ホームボタンなどが姿を現します。これらは真っすぐ伸びるリボンケーブルでロジックボードとつながっているのですが、過去モデルでは黄色のグネグネ曲がったケーブルでロジックボードと接続されていました。


ロジックボードにはLightningコネクターを含むiPod touch下部に搭載されているパーツの他、アンテナモジュールや音量調節ボタンなどがくっついたままで筐体から取り外す必要があります。


これでようやくリアカメラを取り外し可能になります。


右に置いてあるのが取り外した第6世代iPod touchのリアカメラモジュールで、左がiPhone 6のリアカメラモジュール。両方共に8メガピクセルですが形は若干異なり、第6世代iPod touchのカメラレンズにはサファイアガラスが使用されていません。また、第6世代iPod touchのレンズはf値2.4ですが、iPhone 6のレンズはf値2.2です。


さらにカメラモジュールをX線撮影してみるとこんな感じ。


続いてロジックボードとくっついたままになっているフロントカメラモジュールをディスプレイパネルから分離させます。


ディスプレイパネルは前モデルのiPod touchと同じものが使用されていますが、ベゼルが白色に変化しています。


これが第6世代iPod touchのロジックボード。赤枠部分にあるのがApple A8チップで、iPhone 6に搭載されているものと同等のものですが、動作クロックは1.0GHz。iPhone 6に搭載されているA8チップの動作クロックは1.1GHzです。その他、オレンジ枠部分にあるのがLPC18B1UK、黄枠部分にあるのが東芝のNANDフラッシュメモリ、緑枠部分に6軸ジャイロと加速度計用センサーのMP67B、水色枠部分にWi-Fi&Bluetooth通信用のモジュール、青枠部分にタッチスクリーンコントロール用のBCM5976、紫枠部分に343S0645


ロジックボードの裏面


これはA8チップをX線撮影したもの。


そんなわけでバラバラに分解するとこんな感じ。


iFixitによる分解・修理のしやすさは10段階中「4」でした。


なお、Ars Technicaが第6世代iPod touchのベンチマーク結果を公開しており、前モデルと比較してCPUは500%以上、GPUは900%以上もパフォーマンスが向上していることを明かしています。使用されているパーツやベンチマーク結果から、第6世代iPod touchはこれまでのモデルから大きく性能を向上させ、最新モデルのiPhoneに近い性能を手に入れていることが分かります。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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