乗り物

電動バイクや「P2P型カーシェアリング」などフォードが考える未来の「スマートモビリティプラン」が計画実行フェーズに移行


世界有数の自動車メーカーであるフォードは、従来の「自動車メーカー」であると同時にヒトやモノの移動をになう「モビリティカンパニー」としての存在意義を示すべくさまざまな取り組みを進めていることが発表されています。そんなフォードでは次世代のモビリティを考える「フォード・スマート・モビリティ」の研究が行われているのですが、これまでの調査段階から「計画実行段階」に入ったことが発表されました。

Ford Smart Mobility Shifts from Research to Implementation; Company Announces New Programs, Next Areas of Focus | Ford Media Center
https://media.ford.com/content/fordmedia-mobile/fna/us/en/news/2015/06/23/ford-smart-mobility-shifts-from-research-to-implementation.html

フォードが考えるスマートモビリティのソリューションの1つが、複数の移動手段を組み合わせた「マルチ・モーダル・モビリティ(複合移動手段)」です。以下のムービーではその概要や車両のイメージが描かれています。

Multi-Modal Mobility Solutions - YouTube


「マルチ・モーダルな移動というのは、目的地まで自動車や電車など『単一の』交通手段を使って移動するのではなく、複数を組み合わせて移動することです」と語るのは、フォード・グローバルテクノロジーCEOのビル・コフリン氏。


特に、混雑の一途をたどる都市部での交通問題に対処するためには、新たな考え方が必要です。自転車シェアリングを利用したり……


複数でカーシェアリングをすることもその方法の1つ。


そしてもちろん鉄道や……


バスなどの公共交通機関を利用することも考えられます。しかし、これらは必ずしも新しいモビリティの形態といえるものではありません。


フォードの考える「スマート・モビリティ」では、まずカーシェアリングしている自動車で目的地に向かい、近隣の駐車スペースに車を停めます。この時、車はいわゆる「乗り捨て」で元の場所に戻す必要はなく、駐車位置もあらかじめ確保されているというのが利便性を高めるポイントの1つ。


車を停めてトランクを開けると、シェア専用の電動自転車「MoDe:Flex」が姿を現しました。


そして最終目的地までは電動自転車で移動。このような手法を組み合わせることで、都市部の交通の問題解決を狙うのがスマートモビリティの考え方の1つです。


仕事に使う大型バンの後部ドアを開けた女性。


荷台からは、斬新な形の電動自転車が出てきました。これもスマートモビリティを実現するための手段の1つ。


後輪の上には荷物を載せるための荷台が装備されており、「カチャッ、カチャッ」と荷物が金具で固定できるようになっている模様。このような手段で荷物を輸送することで、都市部における新しいモビリティが実現されるというわけです。


自転車にはバッテリーが搭載され、走行に必要な力をアシスト。


このように車体の真ん中から分割することで……


自動車のトランクなどに収めておき、移動先で展開して小回りの利く移動を可能にするようになっています。


用いられる自転車「MoDe:Flex」の種類も、用途に応じてさまざまなものが考案されています。


これらの自転車は、専用のスマートフォンアプリ「MoDe:Link」を使ってコントロールしたり、天候や交通情報のリアルタイム配信を受けることも可能。


さらに、公共交通機関のタイムテーブルを表示することもできるので、「自転車→電車→バス→目的地」といった移動をスムーズに行うことが可能になる様子。


そしてもちろん移動中のナビゲーション機能も搭載。曲がり角が近づくとハンドルの振動や光で知らせてくれるので、画面に目をやる必要がないように配慮されているのも専用アプリならではといえます。


「MoDe:Flex」の詳細は、以下の資料でさらに詳細を確認できるようにもなっています。

(PDFファイル)CFEC00049_FWF_MoDeFlexEbike_FactSht_R02 - MoDeFlexEbike_FactSht.pdf


MoDe:Flexのような電動自転車とは別に、フォードが考える「ピア・ツー・ピア型」のカーシェアリングの仕組みは以下のムービーで語られています。

Ford Credit Peer-to-Peer Car Sharing Pilot Program - YouTube


「われわれが全世界で行った調査からは、自動車を共有するカーシェアリングが社会に広まり続けていることがわかりました」と語るロレッタ・オストレム氏。フォードのクレジット関連企業「Ford Credit」で商品開発を担当する人物です。


そんな社会の流れをくんでフォードは、アメリカの自動車レンタル会社「Getaround」、そしてイギリスの「easyCar Club」と協力して新しいカーシェアリングの仕組みを計画しています。


自分が所有する自動車を貸して収入を得たい人は、まずサイトで登録を行います。


すると、ウェブサイト上に自車の写真と説明が掲載されます。


自動車を借りたい人が現れて交渉がまとまると、スマートフォンを操作することで自動車のロックが解除されます。


これで利用者は初めて自動車に乗ることができるようになるため、セキュリティ面でも安心というわけです。


このカーシェアリングでは、自動車のオーナーはFord Creditとのリース契約を受けた車両を保有し、事前に審査を受けたユーザーに対して車両を貸し出すという仕組みがとられています。この試みは、まずアメリカの6都市とイギリスのロンドン地域で実証実験が行われることになっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
トヨタの次世代パーソナルモビリティ「i-Road」チョイ乗りレポ - GIGAZINE

2人乗りEVをレンタルして観光地をぐるりと巡れる「MICHIMO」に乗ってきました - GIGAZINE

ホンダのパーソナルモビリティ「UNI-CUB β」は先着限定で試乗が可能 - GIGAZINE

ハンドルなしで操縦可能なトヨタの次世代モビリティ「TOYOTA FV2」 - GIGAZINE

Googleが独自のタクシー配車サービスを開始か、Uberもこれに対抗へ - GIGAZINE

2040年までに車の75%は自動運転車になり道路交通システムは変化すると専門家集団が予測 - GIGAZINE

トランクケースから医療用ベッドまでありとあらゆるものをモビリティ化できる「X-mobility」 - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス,   ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.