重力を逆手にとって錘を空中に浮遊させるアート「Cavity Mechanism」
「錘(おもり)は重力で落下する」というのは自然法則から当然の理なのですが、その重力の存在を逆手にとって、重力を利用して錘を空中に「浮遊」させるという、科学を活用したなんとも不思議なアート作品が「Cavity Mechanism」です。
DanGrayber.com
http://www.dangrayber.com/
これがアート「Cavity Mechanism」。ガラス容器の中にワイヤーでつるされた錘が「空中浮遊」しています。錘の重力で引っ張られた特製の専用器具がガラス面を内側から押し付けることで支え、自重により錘を空中に浮遊させるというなんとも不思議なアート作品です。
錘があたかも空中浮遊するかのような不思議な作品「Cavity Mechanism」がどのようにして作られるのかは、以下のムービーで確認できます。
Cavity Mechanism 9 Installation - YouTube
使う材料はガラス容器とワイヤーを張り巡らせた専用器具と……
この紙の輪っか。
まずは紙の輪っかをゆっくりとガラス容器に装着します。
高さは21cmに設定。この紙は専用器具を適当な高さにかつ水平に設置するための目安になります。
続いて専用器具。
ワイヤーを解いて……
慎重に取り出しました。
ワイヤーの先に錘を取り付けます。
ワイヤーを引っ張ると専用器具が横に広がることを確認。
手で押さえて再び細長い状態にしておきます。
専用器具と錘を片手でホールドして……
ゆっくりとガラス容器に入れていきます。
ガラス容器の大きさは、ちょうど手がはいるくらいなので、慎重な作業が求められそう。
おおよその位置を決めたら錘のワイヤーを少し引っぱることで、専用器具を広げて位置を仮止め。
あとは目印の紙の輪っかを見ながら微調整。
ぐるっと一周を見回して、水平になるように位置を調整していきます。
位置が完全に決まったら、ゆっくりと手をガラス容器から抜きました。
慎重にガラス容器を立ち上げて……
台座の上にセット。
こうして重力をつかって錘を「浮遊」させるアート「Cavity Mechanism」の完成です。
Cavity Mechanismのクリエーターのダン・グレイバーさんは、さまざまな作品を自身のHPで公開しています。これはシンプルな器具と丸い錘を使った作品「Cavity Mechanism #11」。
上から見るとこんな感じ。
四方八方に支えが伸びる専用器具が特徴的な作品「Cavity Mechanism #12」
専用器具の造形も見事です。
2本のワイヤーで専用器具が花のように広がる仕組みになっています。
これは錘の代わりに専用器具自体を使った作品「Cavity Mechanism #6」
ワイヤー自体で突っ張って、中の錘を吊り上げる作品「Cavity Mechanism #13」
なんと水平方向に錘がぴたっと静止する作品「Display Case Mechanism #1」。どのような構造なのか非常に興味深いところです。
グレイバーさんのその他の作品は、以下のページで見ることができます。また、気に入った作品があれば、「[email protected]」にコンタクトをとることで作品を購入できるとのことです。
Portfolio
http://www.dangrayber.com/portfolio.htm
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