1000馬力超の最強スーパーカー「ブガッティ・ヴェイロン」の販売が終了

1001馬力、最高速度407km/h、0-100km/h加速が2.5秒というぶっ飛んだ仕様で登場し、発売当時、世界最速のスーパーカーとして君臨した「ブガッティ・ヴェイロン」の最後の1台が販売され、これにてヴェイロンの製造が完全に終了。ついに、ヴェイロン時代の幕が下りました。

Bugatti Sells 450th and Last Veyron - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-02-23/bugatti-sells-last-veyron-ending-era-for-volkswagen-supercar

Deep Dive: The 288-mph Bugatti Chiron
http://www.automobilemag.com/features/magazine/1503-deep-dive-the-288-mph-bugatti-chiron/

ブガッティは、2015年2月23日に450台目のヴェイロンを販売した事を発表。「この1台が最後のヴェイロン」として、ヴェイロンの生産終了を公表しました。この最後のヴェイロンは、2015年3月に開催されるジュネーブ・モーターショーで特別展示される予定。なお、最終モデルの「ヴェイロン16.4 グランスポーツ ヴィテッセ」は最高出力1200馬力、最高速度は410km/hでした。

フォルクスワーゲン傘下に入ったかつての名門自動車メーカーのブガッティは、ブランド再建を目指して史上最高の自動車を作ることを決意し、1999年の東京モーターショーで18気筒のコンセプトカー「EB18/4 ヴェイロン」を発表。翌年のパリサロンでは「最高出力1000馬力以上、最高速度400km/h以上」という壮大な目標を打ち出し、8リットルW型16気筒エンジンに4基のターボチャージャーの搭載を決め、ヴェイロンの開発が本格的にスタート。車名もエンジンにちなんで「ヴェイロン16.4」に決定しました。

そして2005年の東京モーターショーで市販車両が公開され、2006年に300台限定でついにヴェイロンの発売にこぎつけます。当時の価格は1億6300万円(税込)。スペックだけでなくぶっ飛んだ価格でも世間に多くの話題をふりまきました。なお、アナリストのマックス・ウォーバートン氏によると、多額の開発費用がかかったにも関わらず、クーペ300台、オープン150台の合計450台しか販売されなかったヴェイロンは、1台売るごとに460万ユーロ(約6億円)の赤字になる計算とのことで、販売戦略自体もスペックに負けず劣らずぶっ飛んだものだったようです。

By PSParrot

大赤字でもヴェイロンの販売が実現したのは、ブガッティのバックにフォルクスワーゲンがついていたから。ポルシェやアウディを傘下に持つフォルクスワーゲングループの豊富な資金力によってヴェイロンの製造・販売が成り立っており、ヴェイロンはある意味でバーゲンプライスのスーパーカーだったというわけです。なお、ヴェイロンの持つ圧倒的なインパクトはブガッティの、ひいてはフォルクスワーゲングループ全体のブランド価値の向上に役立っており、その経済効果はF-1やル・マンなどのレース活動に比べるとコストパフォーマンスは高めだったと言うから驚きです。

By marcus_jb1973

ラルフ・ローレンやビートたけしさんなどの著名人に愛されたヴェイロン。愛車のヴェイロンの上でポーズを決めるのは、レアル・マドリードのカリム・ベンゼマ。ヴェイロンに「DEATH」のTシャツを組み合わせるそのセンスに驚愕。

なお、ベンゼマはサッカーグラウンドにヴェイロンで乗り付けるようです。

Benzema lucio su Bugatti Veyron, el coche mas caro - YouTube

約10年にわたって最強のスーパーカーとして君臨していたヴェイロンは販売終了になったわけですが、すでにブガッティはヴェイロンの後継車「Chiron(シロン)」(仮称)の開発に着手しているといううわさもあります。シロンは、最高速度288マイル(約460キロメートル)、最大出力1500馬力をたたき出すと予想されています。