レビュー

新生VAIOが「モンスター」と呼ぶ、圧倒的性能を見せつける2in1端末「VAIO Z」レビュー


ソニーから独立したVAIO初のハイエンド2in1ノートPC「VAIO Z」は、VAIO自身が「モンスター」と呼ぶ、圧倒的なスペックを誇るマシンとのこと。一体どこらへんがモンスターなのかを実際に使って確かめてみました。

VAIO | 商品情報 | VAIO Z
http://vaio.com/products/z/

◆外観チェック
VAIO Zの箱はブラックカラー。


側面には誇らしげに「made in azumino japan」の文字。VAIO Zは長野県安曇野で設計・製造され、出荷前に専任技術者の品質チェックを受ける、まさにMade in JAPANのものづくりのたまものです。


VAIO Zは13.3型液晶搭載。サイズは幅324.2mm×奥行215.3mmで、重さは1.34kg。


フットプリントはA4用紙より一回り大きいくらいです。


液晶には旭硝子製の強化ガラスを採用。映り込みが苦手な人には非光沢仕様の液晶保護フィルムの貼り付けオプションもあり。


「VAIO」のロゴは、液晶を開いた状態で正立します。天板は高級感ただようアルミ製。


VAIOロゴは縁が銀色に輝くようなエッジ加工。VAIO Zの質感へのただならぬこだわりがビシバシ伝わってきます。


ゆったりしたキーピッチのキーボードと、大きめのタッチパッド。なお、キーボード・タッチパッド周りのフレームもアルミ製です。


フラットなキーは、ピッチが約19mmでストロークが約1.2mm。


暗い場所では自動的にLEDライトが点灯します。


タイプするとストロークは浅めですが、しっとりとした打鍵感は良好。「部品精度を高めることで耳障りな音域である2KHz以上の帯域を避けることに成功した」とのことでタッチ音は小さめ。小気味良くタイプできます。


タッチパッドはたわみのない固い表面素材を求めた結果、「雲母片岩(マイカ)」にたどり着いたとのこと。


キーボードの左手前にVAIOのロゴが彫り込まれています。


右側面はこんな感じ。VAIO Zの厚みは最大の部分でも16.8mm。


USB3.0ポート×2。「もはやUSB3.0は当たり前」と言わんばかりにUSB3.0ポートはブルーではなくマットなブラックカラーで、統一感は抜群。


排気用スロットと電源ボタン。


背面はこんな感じでヒンジ部分がフラット。


背面左にボリュームボタン。


左側面。


ACジャックと排気用スロット。


HDMI端子、イヤホンジャック、SDカードスロット。


手前部分はこんな感じ。


天面の中央部に象徴的なスリット。これはVAIO Zのディスプレイ回転機構の「マルチフリップヒンジ」のライン。


底面はこんな感じ。


上部にある吸気スロットの間にはExmor RS for PC" CMOS センサー搭載の799万画素カメラを搭載。


下部の左右にはスピーカー。滑り止めのラバーによってスピーカーが接地面から浮き、音が広がる構造になっています。


VAIO Zにはデジタイザーペンが付属しています。


VAIO Z本体にデジタイザーペンを収納する場所はありませんが、かわりにクリップが付いています。


スタイラスの親指に当たる部分には大小二つのボタン。小さなボタンはOneNoteが、大きなボタンはキャプチャー用ソフト「VAIO Clippng Tool」のショートカットが割り当てられています。


ペンの先端は押しつけると少しヘコむ構造で、256段階の筆圧検知が可能。セルシスの「CLIP STUDIO PAINT」やAdobeの「Creative Cloud」にも対応しています。


付属のACアダプターはこんな感じ。


給電用のUSBポート付き。


ACジャックは抜けやすいのが玉にきず。


◆スペックチェック
まずは性能チェックから。今回レビューで使うVAIO Zは、CPUがIntel Core i7-5557U(最大3.4GHz)、メモリは16GB、SSDは512GB、OSはWindows 8.1 Pro(64bit)。一般的なノートPCがモバイル用の省電力版Coreプロセッサを採用しているのに対して、VAIO ZはIntel第5世代CoreプロセッサBroadwellの上位版「Uシリーズ」を採用。


さらにグラフィックにはIntel Iris Graphics 6100と、高速な処理能力を実現。これは、VAIO Zの高密度実装技術に日本電産との共同開発の薄型ファン、フジクラとの共同開発の独自ヒートパイプを組み合わせたシステム「Z ENGINE」によって可能になったもので、まさにオールジャパンでMacBook Proをも圧倒するハイスペックを実現しているというわけです。


おまけにパナソニックと共同開発したIPSα液晶ディスプレイ解像度は2560×1440ピクセル。VAIOが「モンスター」と呼ぶのもうなずける、ノートPC最上位のカタログスペックとなっています。


Windows 8.1ではWindowsエクスペリエンスインデックスはシステムのプロパティ画面で表示されなくなりましたが、「WinSAT.exe」を手動で実行すれば測定自体は可能です。そこで、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「winsat formal -restart clean」と入力して、WinSAT.exeを実行してVAIO Zの性能を測定してみました。


結果は、CPUが7.5、3Dグラフィックが6.2、Diskスコアが8.65、グラフィックスコアが5.7、メモリが7.8。全体的に高い数値をたたき出していますが、中でもストレージの速度が強烈であることが分かります。


CystalDiskMarkで測定した結果がこれ。シーケンシャルリード・ライトは驚異の1000MB/sオーバーで、ランダムリード・ライト(4K QD32)も300MB/sオーバー。VAIO Zは、ノートPCにもかかわらずPCI-Express(×4)接続のSSDを搭載しており、S-ATA3の限界を難なく突破。ノートPCではライバル不在の圧倒的なSSD速度を誇ります。


◆使ってみた
ディスプレイは最大で約45度まで広げられます。


OSはWindows 8.1 Pro(64bit)。


液晶の中央下部にWindowsマークの物理ボタン。もちろん、Windowsキーが割り当てられています。


Windowsボタンの手前にあるリリースボタンを左にスライドさせると……


ディスプレイのロックが解除されて、マルチフリップヒンジが回転。


横から見るとこんな感じ。「Z」に見えなくもありません。


タブレットタイプにするとこんな感じ。


縦に向きを変えると自動で回転します。


・カメラ
タブレットスタイルでは写真の撮影も簡単。


大画面のどこをタップしてもシャッターが切れるので非常に簡単に写真が撮れます。


・ブラウジング
ネットブラウジングをしてみた感想は「快適」の一言。高いCPU性能や高速なSSDのおかげでサクサクしたブラウジングが楽しめるというだけでなく、InstantGoにも対応。また、Wi-Fiをつかむ速度が尋常ではなく、スリープや休止モードから再開してブラウザを開くころにはWi-Fi環境がスタンバイされているため、高速復帰が可能なWindos 8.1でも起動直後にブラウジングできるという快適さは、一度使うとやみつきになりそうな魅力を持っています。


付属のデジタイザーペンは、画面に近づけるだけでポインタが反応するので、高解像度のディスプレイでもピンポイントでリンクをクリックすることが可能。


・ムービー再生
特に、YouTubeでの視聴は、ディスプレイの発色がよいこともあり、かなり快適。映像が鮮やかだとこうも没入感が上がるのかと関心するレベル。


・YouTubeで2.5Kムービーを再生
せっかくの2.5K(2560×1440)ディスプレイなので、YouTubeの2.5K(1440p)高画質ムービーを再生してみました。素材に選んだのは、以下の記事のムービーです。

世界初の4K映画「TimeScapes」予告編ムービー、超美麗でド迫力の4K画質の一端が体験可能に - GIGAZINE


2.5Kムービーを再生する様子は以下のムービーで確認できます。

VAIO ZでYouTubeの2.5K(1440p)ムービーを観るとこんな感じ - YouTube


VAIO Zはコマ落ちしそうなそぶりも見せずに2.5Kムービーを楽々再生できました。特に、100人クラスの会議でも十分に聞こえるよう開発されたスピーカーは音量・音質ともに十分で、ムービーの迫力アップに大きく貢献しています。なお、ムービーの最後で確認できるとおり、ファンがうなりを上げるということもなし。2.5Kムービーの再生程度ではマシンパワーに余力を残した状態であることがよく分かります。

ただし、YouTubeなどの動画再生が快適なVAIO Zだけに、ディスプレイを開くと隠れてしまう音量ボリュームボタンの位置は減点ポイントです。


VAIO Zで唯一、不便だと感じたのはあまりにも高解像度なところ。例えば、プログラムのアンインストールをしようと「プログラムの機能」を開くとこんな感じ。13.3インチに2560×1440という超高解像度を取り入れると、等倍表示では見づらいくらい、字が小さくなってしまうというワナ。


VAIOが「モンスター」と呼ぶ2in1ノートPC「VAIO Z」は、その名に恥じぬ高性能マシンであることがよく分かりました。他の追随を許さないほどの圧倒的なCPU・SSD性能に加えて、公称値15時間以上の駆動時間を実現したVAIO Zは、「圧倒的なレスポンスを持つ」「一日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」という3点を追求したモンスターPCで、とにかく圧倒的な「高性能」を要求するハイエンドユーザーの期待を裏切らないデキになっています。

VAIO Zは、Core i5、8GBメモリ、128GBのSSDのモデルが20万7000円(税込)からで、レビューしたCore i7、16GBメモリ、512GBのSSDの最上位モデルが35万円(税込)となっています。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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