世界の4000年間にわたる国家間の興亡の流れが見るだけでザックリと理解できる「The Histomap」

By Andy K

世界史にはさまざまな国家が誕生しては滅びるという栄枯盛衰がありますが、見るだけでその流れを何となく理解できるのが「The Histomap」です。世界史に興味があるけども情報量が膨大過ぎてどっから始めたらいいかわからないという人にはピッタリな内容になっています。

The Histomap. - David Rumsey Historical Map Collection
http://www.davidrumsey.com/luna/servlet/detail/RUMSEY~8~1~200375~3001080:The-Histomap-

The Histomapは紀元前2000年から始まります。紀元前2000年で最も大きな勢力だったのは図の左から2番目にあるピンク色の古代エジプト。次に勢力が大きいのは図の一番左の古代ギリシアにおけるエーゲ文明の中で最も古いミノア文明です。紀元前2000年から1800年にかけてエーゲ文明は勢力をじわじわと大きくし、反対に古代エジプトは紀元前1900年ごろから一気に勢力が小さくなります。

古代エジプトが縮小していく一方で力を広げてきたのが、緑色で表記されている中東各地で権力を握った諸部族のアムル人。ただし、紀元前1750年を境に古代エジプトが盛り返し、エーゲ文明は1650年に向けて段々と勢力が小さくなります。同時期に強い勢力を誇っていたのは青色のエラム。エラムは古代オリエントで栄えた国家で、現代ではイランがある地域に多数の国家を形成していました。

紀元前1650年から1450年にかけてはエーゲ文明・古代エジプト・アムル人・エラムを筆頭に、群雄割拠の時代が続きます。

紀元前1450年から1100年にかけては世界に大きな変化が訪れます。まず、ずっと勢力を維持してきたエーゲ文明が紀元前1150年に消滅し、入れ替わるように紀元前1450年前後に誕生した、図の一番左のギリシャ文明(緑色)が勢力を拡大。エーゲ文明が先細る一方で古代エジプトが紀元前1300年に勢力をかなり拡大させますが1100年に近づくと、その大きさが段々と小さくなっていきます。また、紀元前1400年ごろに誕生し、後に古代エジプトを含む大帝国を築いたアッシリア(中央の青色)が急成長。紀元前1100年には世界で最も大きな勢力になっています。

メソポタミアや古代エジプトを飲み込んだアッシリアは一度征服したバビロニアの抵抗を受けつつ、紀元前950年に勢力をかなり弱めますが、その後はどんどん拡大し、紀元前700年で世界最大規模にまで成長。

しかしながらアッシリアは紀元前700年以降に勢力を狭めていき、ペルシア帝国に統括される形でその姿を消します。画像内の巨大な青色の勢力がペルシア帝国で、紀元前500年には世界最大の国家へと成長。またじわじわと勢力を拡大してきたのが図の左側にある緑の古代ギリシア。紀元前400年にはペルシアと同等の勢力になり、その後も成長し続け、紀元前350年にはペルシアと入れ替わる形で世界最大の国家になっています。

紀元前300年からの主役はなんといってもローマ帝国。図からもわかるとおり、紀元前150年ごろから西暦100年まで、まさに向かうところ敵なしの勢いを見せていたのが分かります。

世界の頂点に君臨していたローマ帝国ですが、古代ヨーロッパに存在した緑色のテュートン族の侵略もあってか次第にその勢力を弱めていくことに。西暦300年ごろからは黄色のタタールが勢力を拡大していきます。

タタールはモンゴル帝国の一員となり、そのモンゴル帝国が西暦450年に世界最大の国家になりました。ただし、西暦500年以降はムハンマドが登場した緑色のアラビア半島が勢力を広げている様子がわかります。

……というような感じでThe Histomapは西暦2000年まで続いていきます。あまり世界史に造詣が深くなくても、4000年という長い歴史の中でどの国家が勢力を広げて衰退していったのか、がざっくりとわかるようになっているので、世界史に興味がない人でも一度は目を通すとよさそうです。