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かつて西半球最大の帝国を築いた「インカ帝国」の興亡をアニメで解説


かつて南アメリカのペルー・ボリビア・エクアドルを中心にケチュア族が築いた一大帝国が、世界遺産に登録されているマチュ・ピチュなどで知られる「インカ帝国」です。そんなインカ帝国について、「インカ帝国の始まりと終わり」について説明したムービーが、YouTubeで公開されています。

The rise and fall of the Inca empire - Gordon McEwan


インカ帝国は人口1000万人、90万平方キロメートル以上の国土を持ち、かつては西半球最大の帝国でした。


中央集権的な政府を持ち、寺院や広い道路・運河などの交通システムを、険しい国土において維持していたのです。


それも、車輪・馬・鉄・文字言語を使用せずにです。


インカ帝国に伝わっていた伝説によれば、インカ帝国の支配者一族は太陽の神「インティ」によって作られたとされ、「タンボ・トコ」という洞窟から地上に現れたとされています。


4人の兄弟と4人の姉妹を束ねるリーダーが「アヤ・マンコ」という人物。


アヤ・マンコは黄金のステッキを持ち、ステッキが地面に刺さるような豊かな土地を探して冒険を繰り返しました。


やがてクスコの谷にたどり着いたアヤ・マンコたちは、黄金のステッキが地面に刺さることを確認。


クスコの谷に居住していた原住民たちと争いを繰り広げ、勝利したアヤ・マンコたちは最初の帝国を作り上げました。


アヤ・マンコは初代「サパ・インカ(インカの王)」となります。


以上はあくまでも伝説ですが、考古学的な発見から最初にインカ帝国の人々がクスコの谷に定着したのは、西暦1200年ごろだったと推定されています。


1438年までは小規模な帝国であったインカ帝国ですが、周辺のチャンカ族との争いが激化。


当時インカ帝国の王であったヴィラコッチャとその跡継ぎは、恐怖のあまり帝国を見捨てて逃げ出してしまいました。


結局その場はヴィラコッチャの跡継ぎではない息子がインカ帝国の王となり……


帝国の防衛に成功。


戦争のうまさによって第9代インカ帝国王となった人物は、「大変動」を意味する「パチャクティ」と言う名を名乗ります。


パチャクティはインカ帝国の拡大に乗り出し、周辺の国々を征服。小さな谷間の帝国だったインカ帝国を、巨大な帝国へと作り替えていきます。


パチャクティは帝国の領土を4分割し、「タワンティスウユ」と名付け……


4分割したそれぞれの領土に支配者を置き、統治させる方式をとりました。


インカ帝国は文字を持たなかった代わりに「キープ」という縄に付けられた結び目を使い、さまざまな情報を記録していました。


また、インカ帝国は官僚制で効率的な課税方式を採用。


税を納める見返りとして傘下に入った王国の安全を約束し、インフラを整備・維持しました。


山々には段々畑と灌漑設備が設けられ、さまざまな種類の穀物を土地の高度に合わせて栽培し、生産された穀物は帝国隅々まで行き渡りました。


有名なマチュ・ピチュが建設されたのも、パチャクティの時代です。


1471年に即位したパチャクティの息子である「トパ・インカ」は、インカ帝国の軍事力を強化し、さらに領土を拡大しました。


トパ・インカの息子である「ワイナ・カパック」は1493年に即位。


1524年、ワイナ・カパックは病に倒れます。


この病はスペインのコンキスタドールがもたらした天然痘、もしくはマラリアと考えられています。当時、コンキスタドールの軍勢はカリブ海にまで到達していました。


病気に抵抗力のないインカ帝国の人々は次々と病に冒され、ワイナ・カパックとその後継者も病に倒れて亡くなりました。空位となった王座を争ったのが……


「アタワルパ」と「ワスカル」の2人。内戦によってインカ帝国はさらに弱体化してしまいます。


1532年には内戦が終わり、ワスカルに勝利したアタワルパがインカ帝国の王に即位。


すると、フランシスコ・ピサロに率いられたコンキスタドールの軍勢と遭遇。インカ帝国の軍は数で勝っていましたが、アタワルパたちはコンキスタドールが持つ銃と馬の強大な力に降伏してしまいました。そのいずれも、それまでインカ帝国の人々が見たこともないものだったのです。


アタワルパは捕虜たちと共に、1年後に殺害されてしまいます。


コンキスタドールの軍勢はクスコの街並みに驚愕しました。ピサロはその美しさを記録し、「たとえスペインの中にあったとしても、これは見るに値する」とたたえています。


インカ帝国の人々は内戦と病でボロボロの状態でしたが、首都を「フィルカバンバ」に移して抵抗を続けました。


しかし、それも1572年に陥落。


インカ帝国はその文化と共に、消滅してしまいました。

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in 動画, Posted by log1h_ik

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