12人が殺害されたフランス風刺新聞社襲撃事件を複数メディアや企業が全面サポート、襲撃原因となった週刊紙100万部を出版予定
By Thierry Chervel
現地時間の1月7日、フランスのパリで風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の本社が銃撃され、12人が殺害されました。この銃撃事件ではシャルリー・エブドの編集長をはじめとする著名な風刺漫画家4人も殺害されてしまったわけですが、それでも生き残ったスタッフたちは来週のシャルリー・エブドの出版を宣言しており、多くの企業やメディアからサポートを受けて通常の約17倍となる100万部を出版することも明かしています。
Charlie Hebdo staff vow to print 1m copies as French media support grows | Media | The Guardian
http://www.theguardian.com/world/2015/jan/08/charlie-hebdo-staff-publish-next-week-1m-print-run
Charlie Hebdo will publish one million copies next week with help from Google-backed fund | The Verge
http://www.theverge.com/2015/1/8/7514251/charlie-hebdo-will-publish-one-million-copies-next-week-with-help
銃撃事件で殺害されたシャルリー・エブドのスタッフの数は計8人で、殺害された人物の中には編集長として多くの政治家や宗教を風刺してきたステファヌ・シャルボニエ氏や、約60年というキャリアの中で大統領・軍・宗教などあらゆるものを容赦なく風刺してきたジャン・カビュ氏などもいました。
偉大なスタッフをなくしてしまったシャルリー・エブドですが、次の週の出版も宣言しており、普段は6万部しか出版しないところを100万部出版する、というとんでもない計画もスタートさせています。
前代未聞の大量出版を成功させるため、Googleが出資した独立系カルテルのDigital Press Fundから25万ユーロ(約3500万円)の寄付を受け、他にもル・モンドやフランス・テレビジョン、ラジオ・フランスといったフランスの著名メディアからも金銭面でのサポートが入る見込み。さらに、配給関連の業者は出版時に発生する印刷代や紙代を無償にすることでシャルリー・エブドをサポートする予定、とのことです。
襲撃事件はイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画に激怒した者による犯行とみられており、過去にもシャルリー・エブドのスタッフは殺害予告や脅迫状を受け取っていたそうです。
パリ新聞社襲撃、フランスの一流漫画家4人が犠牲に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
シャルリー・エブド紙が2011年、イスラム教の預言者ムハンマド(Mohammed)の風刺画を掲載したことを受けて、シャルボニエ氏らには殺害を予告する脅迫状が複数送り付けられていた。そのため同氏は、警察の保護下にあった。
またムハンマドの風刺画が原因となり、同紙本社建物には火炎瓶が投げ込まれたり、ホームページがハッカー攻撃を受けるなどの被害に遭っていた。
なお、殺害された編集長のステファヌ・シャルボニエ氏は、生前、地元メディアに対して「ひれ伏して生きるより立って死ぬ方がいい」と語っていました。
・関連記事
人間が自然を支配していく様子をコミカルかつ風刺的に描いたアニメ「MAN」 - GIGAZINE
Wikipedia、イスラム教徒18万人からのムハンマド画像削除依頼を猛烈拒絶中 - GIGAZINE
テロリストが著作権違反を主張して反イスラムYouTuberの個人情報を取得 - GIGAZINE
「イスラム国(ISIS)」の活動拠点は一体どこにあるのかをGoogle Earthで丸裸にする方法 - GIGAZINE
・関連コンテンツ