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仮想通貨Bitcoinを扱えるマイクロチップを両手に埋め込んだ男性が登場


オンライン上のデータとして存在する仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は実体を持たない貨幣のため、その管理や運用はデータの取り扱いが全てといえます。ハッキングで預金を失ったBitcoin銀行が即時閉鎖されるなどの被害も発生しているために、その鍵となるデータの保管方法は厳重さが求められ、ネット上に情報を置かずにオフラインに保存しておく「コールドストレージ」が有効とされています。そんな中、究極のコールドストレージを実現すべくBitcoinの情報を保存するNFCチップを両手の手のひらに埋め込む手術を行った男性が現れました。

Man has NFC chips injected into his hands to store cold Bitcoin wallet | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2014/11/man-has-nfc-chips-injected-into-his-hands-to-store-cold-bitcoin-wallet/

この施術を行ったのはオランダ人の起業家で、Mr. BitcoinのCEOを務める熱烈なBitcoinフォロワーのマルタイン・ビスメイヤー(Martijn Wismeijer)氏ら数名の男女。Mr. Bitcoinはオランダとベルギー国内でBitcoinのATMを設置して運営する企業です。

実際にチップを手に埋め込んでいる時の様子は、以下のムービーで見ることができます。

Subdermal NFC chip implants


施術はオランダ国内のあるビルの地下で行われました。


テーブル上に器具などが置かれていますが、「生体埋め込み」から連想するような衛生環境にはなっていない様子。


左手を消毒されているこちらの男性がビスメイヤー氏。どことなく楽しげな雰囲気すら漂わせています。


注射器が左手に挿入されて……


「グッ」と力を込めてカプセルを挿入。


非常に小さいカプセルのためか、外観からはほとんど判別不能。


この時には複数の人物が同じ施術を受けた模様。


この女性は少し辛そうな表情を浮かべています。


その後も続々と施術を受ける人が現れていた様子でした。


このチップセットはビスメイヤー氏をはじめとするMr. Bitcoinの幹部の体内にも埋め込まれ、同社が運営するBitcoin資金のマスターキーを解除するために用いられるとのこと。認証が完了した場合には、スマートフォンから実際の資金が送信される仕組みになっています。

ビスメイヤー氏の両手にはそれぞれ1個ずつのNFCチップが埋め込まれており、一方にはアドレス帳などのデータを保存してNFC対応のスマートフォンなどでスキャンしてデータを送受信することが可能。そしてもう一方の手に埋め込まれたチップには、暗号化されたBitcoinのプライベートキーが保存されています。


使用されているのはNFC Type2準拠のNTAG216 RFIDチップセットを2×12mmの生体適合ガラス容器に内蔵した「xNTi」と呼ばれるカプセルで、ネット上のサイト「Dangerous Things」で99ドル(約1万2000円)で販売されているもの。内蔵されたチップには888バイトの情報を保存することができ、NFC(近距離無線通信)を使って情報のやりとりを行うことが可能です。


カプセルは専用の挿入具にセットされた状態で販売されています。直径2mmのカプセルを注入するということで、針の太さがとんでもないことに……


今回の施術はオランダ・ユトレヒトにあるピアススタジオ「Piercing Studio Utrecht」で実施されました。ビスメイヤー氏はアムステルダムで開業している別の医師に施術を依頼したものの、治療行為ではないことを理由に拒否されたため、ピアススタジオを運営するトム・バン氏に依頼したとのこと。チップ埋め込みについてビスメイヤー氏は「『コールドストレージ』の実現のために埋め込みを実施したが、実際には37度の体の中にあるから『コールド』ではないね!」と語っています。

ビスメイヤー氏は今後、自宅の改装を行って手をかざすだけで扉が開くようにする予定もあるとのこと。Bitcoinに限らず、今後のデータの取り扱い方法を考える上で、興味深いケースと言えそうです。

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in メモ,   ネットサービス,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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