取材

ロッテのトッポとグリコのペジョイが瓜二つ、どこからがパクリで何がいけないのか?


たびたびインターネットでも話題となる、韓国や中国のコピー商品。グリコのポッキーに似たロッテのペペロはどうかと思う、と以前記事にしましたが、一方で、タイのグリコもロッテのトッポに似た「ペジョイ」というお菓子を作っていました。裏切られたような切ない気持ちです……。中国やヨーロッパでもポッキーはありましたし、海外進出に積極的なグリコを応援してました。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。何気なく手にしてしまう商品だからこそ、企業はブランド価値を大切にしています。だからこそ、同じジャンルの商品を発売するならば、被らないようすることが鉄則。どこからがパクリで、なぜパクってはいけないのか、いろいろと考えてみました。

◆グリコのペジョイ
百聞は一見にしかずということで買ってきました。左がグリコ、右がロッテの商品です。白が基調の箱に赤のアクセントのパッケージは瓜二つとなっています。


パッケージの裏側はロゴマークがタイ語でした。


箱を開けるとペジョイが一袋に対し、トッポは二袋入っています。


筒状のプレッツェルにチョコを流し込んだ形も一緒。ただタイバージョンを食べ比べてみると、美味しいのは断然ペジョイ。トッポは何か混ざっているのか、チョコレートのパキッとした食感がありません。安い板チョコに、よくある柔らかな口触り。一方でペジョイのチョコレートは、口当たりも滑らかで、サクサクのプレッツェルと相性抜群でした。


ペジョイの販促のポスターでは、ポッキーとならんで写っています。パッケージにも「Pockey's friend」と書いていますし。


ちなみに、日本もタイもトッポのデザインは変わりません。


◆どっちが先なの?
ロッテの公式ホームページによると、トッポの発売は1994年の4月となっています。


そして現在のタイグリコの公式ホームページにおけるペジョイの商品紹介がこちら。冒頭で紹介した写真とは違っていました。


ちなみにアメリカ版のペジョイも、タイの公式ホームページと同じパッケージ。


こうしたことから、タイグリコにおけるペジョイのデザインはロッテのトッポを意識して、故意に変更された気がしてなりません。

◆タイのポッキー
ちなみに、タイグリコもポッキーを発売しているのですが、地元企業が同じような商品を出していました。不思議で仕方がない3つの赤いパッケージ。


中身のプレッツェルにチョコレートをコーティングした形はどれも一緒です。


◆パクりの基準
エム&エムズとマーブルチョコレートは「粒々のチョコレート」というコンセプトは同じですが、互いにブランドが確立しています。どんな企業であれ、既存ジャンルに新規参入することには何の問題もありません。ただ、競争に加わるならば、先行商品への配慮が欲しいところ。後発商品が人気ブランドに似ていたら、間違いなく消費者の目にも留まります。後発が先発ブランドのイメージを利用しないのが、パクリの基準ではないでしょうか。同じジャンルでも、パッケージが異なる商品を例に挙げると……

つぶチョコなら、世界中でみかけるエム&エムズ。


エム&エムズと競合しているネスレのスマーティーズ。


南米で幅を利かせるアルゼンチンメーカーのロックレッツ。


ペルーにあったチンチン。


こちらも南米の品で、チュビという商品。


チョコバーの定番となっているスニッカーズ。


ここもネスレが噛み付いて、国によってはライオンというブランドのチョコバーで攻めに出ています。


since 1926と南アフリカで存在感を示していたブラックキャットというチョコバー。


日本でもお馴染み、ネスレのキットカット。


アラブ首長国連邦では全く同じコンセプトの「ブレイク」という商品が発売されていました。


ロッテのコアラのマーチと明治製菓のハローパンダ。これなら問題ないのでは?


コンセプトはビスケットにチョコレートが入ったお菓子。森永製菓にもパックンチョという商品がありますしね。


だからこそ、以前記事にしたように、グリコのポッキーに似た韓国ロッテのペペロには違和感がありました。


こちらも記事にしていますが、アフリカのケニアで「Funzel」という同商品を発見しています。韓国でも、ここまでパッケージが違っていたら、とやかく言われなかったと思うのですが。


◆ブランドとは?
袋ピーナッツ。西アフリカの農家の人たちの手作り品。


工業ピーナッツ。東アフリカでは大量生産されていたのですが、怪しいパッケージでした。


商品ピーナッツ。南アフリカまで行くとブランド化され、キャラクターまで登場。これなら日本で輸入食品として並んでいても、違和感なく手にしてしまうでしょう。


このように、アフリカのピーナッツはブランドが確立されるまで、段階を踏んでいました。工業化は成功しても、洗練されたデザインになるまでは、時間がかかります。海外では思わずニヤッとしてしまうデザインでいっぱいです。

ブルガリアのチョコレートバー。


中央アメリカの袋水。


ミャンマーのスナック菓子。


板のチョコレートなどは特にパッケージにこだわってブランドイメージを大切にします。ロングセラーの商品なんて、早々に生まれません。ただ、一度ブランドが確立されたら、そこからビジネスが派生していきます。チョコレートメーカーのアイスクリームだったり、飲料メーカーのキャンディだったり、ましてはキャラクタータイアップの肉まんだったり……。だからこそ、企業は商品のブランド化に努めます。

ただし、ブランドではなく価格で勝負することになると、パッケージデザインにはこだわりません。これはプライベートブランドが取る手法で、例えばオーストラリアのウスワースというスーパーのプライベートブランド。


南アフリカのショップライトというスーパーのプライベートブランド。


だとしたら、イオンのポッキーに似たトップバリューのチョコプレッツェルは、わざわざ赤のイメージを被せる必要もないのに……。


コーラではコカ・コーラ、コーヒーならネスカフェ、ガムではクロレッツ、ビスケットではオレオ、ポテトチップスではレイズとグローバル化が進む世界の中で、大企業はトップブランドの構築に力を注いでいます。パクリをしている暇もないでしょう。

だからこそ、タイにおけるロッテのトッポとグリコのペジョイのパッケージが酷似している現状はどうかと思いました。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   , Posted by logc_nt

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