GoogleのSVPが成層圏から音速突破でフリーフォールの世界記録を更新
オーストリア人の冒険家であるフェリックス・バウムガルトナー氏が保持していた、有人気球によるフリーフォールの最高高度記録が更新されました。フリーフォールの最高高度記録を更新したのは、冒険家やエクストリームスポーツの選手ではなく、Googleの上級副社長という意外すぎる人物でした。
Alan Eustace and the Paragon StratEx Team Make Stratospheric Exploration History
http://www.paragonsdc.com/stratex/
Official StratEx Launch Video - YouTube
こちらがフリーフォールの高度世界記録を打ち立てたGoogleの上級副社長であるアラン・ユースタス氏です。
ユースタス氏は、Googleからの資金援助を「マーケティング目的ではないこと」と「失敗すれば迷惑がかかる」という理由で断り、11年前に知り合ったParagon Space Development Corporationの協力を得て、フリーフォールの高度世界記録更新プロジェクトを進めていました。ユースタス氏が画像で着用しているのはParagonが開発した、成層圏での有人探査を可能にする特製の宇宙服です。
今回のフリーフォールは、ヘリウム気球を使ってユースタス氏をつり上げ、そのまま地上13万5890フィート(約41km)の上空まで上昇してから飛び降りるというもの。
こちらがユースタス氏をつり上げるヘリウム気球。
気球が上昇し始めると、先端にぶら下がったユースタス氏の体がフワッと浮きました。
そのままユースタスさんは気球でグングン上昇。
地上40kmまでは及ばない高度でも、一般人なら恐怖におののくレベル。
気球は上昇し続け、カメラでは追えない高度まで上がってしまいました。
2時間かけて成層圏の上層部に位置する高度41kmまで上昇した後、ユースタス氏が気球から切り離されてフリーフォールのスタート。
フリーフォールで落下するユースタス氏の背景がグルグル回っていることから、ユースタス氏の体がすさまじい速度で回転していることがわかります。
フリーフォールでは最高時速1300kmに到達し音速を突破。
地上に近づいたところでパラシュートが開きます。
その後はユラユラしながら降下……
見事着地に成功しました。
幼少期から宇宙への強い関心を持っていたというユースタス氏はGoogleに入社してからもセスナ機を操縦したり、パラシュート降下を楽しんだりしていて、スリルのあるスポーツを愛しているとのこと。フリーフォールの後に受けたインタビューでは「素晴らしかったし、上空からの光景はとても美しかった。真っ暗な宇宙空間と大気圏が層のように重なっている景色は、いまだかつて見たことのないものでした」と感想を語っていました。
ユースタス氏がフリーフォールの高度世界記録を更新したことを受けて、GoogleのCEOであるラリー・ペイジ氏はお祝いのメッセージをGoogle+に投稿していました。
・関連記事
高度3万メートル以上から地上へ超音速で飛び降りるプロジェクトが10月14日実施へ - GIGAZINE
GoProを高度4kmから落としたりバイクで踏みつけまくったりするとどうなるのか? - GIGAZINE
雨傘にぶら下がってスカイダイビングに挑戦 - GIGAZINE
スカイダイビング中にパラシュートを燃やすパフォーマンスのムービー - GIGAZINE
高度3000mから落下したのに骨折ひとつせず生還した男性 - GIGAZINE
・関連コンテンツ