化学反応の美麗なムービーや美しい化学構造を集めて化学の「美」を伝える「Beautiful Chemistry」
4K解像度のUltra HDカメラと特殊なレンズを使って化学反応の起こる瞬間を撮影したムービーや、科学的な文献から選んだ美しい化学構造をCGで再現したコンテンツを公開しているのが「Beautiful Chemistry」です。
Beautiful Chemistry
http://beautifulchemistry.net/
Beautiful Chemistryはさまざまな化学反応を間近で撮影したムービーをいくつも公開しており、いずれも普段の生活で見ることができない、美しい光景を見ることができます。
Beautiful Reactions
http://beautifulchemistry.net/reactions.html
まずは「沈殿」のシリーズから。
Beautiful Reactions: Precipitation on Vimeo
硝酸銀+塩化ナトリウムが塩化銀+硝酸ナトリウムに変化する様子。塩化銀が下に沈んでいきます。
これは化学反応式で示すと、2AgNO3+K2CrO4→Ag2CrO4+2KNO3。クロム酸銀が沈殿します。
硫酸銅と水酸化ナトリウムを合わせると青い固まりが下へと落ちていきます。
次は「ケミカルガーデン」を作っていくムービー。
Beautiful Reactions: Chemical Garden on Vimeo
塩化カルシウムとケイ酸ナトリウムを組み合わせた結果がこれ。
塩化コバルトをケイ酸ナトリウムと組み合わせると、まずピンク色の物質ができ、その後青く変化していきます。
硫酸亜鉛とケイ酸ナトリウムが化学反応を起こした結果。
塩化鉄とケイ酸ナトリウム。
これは硫酸コバルトとケイ酸ナトリウム。
亜鉛をさまざまな溶液に落とした時の反応集。
Beautiful Reactions: Metal Displacement on Vimeo
まずは硝酸銀と亜鉛の組み合わせ。まるで樹氷ができていくかのよう。
硫酸銅の溶液に亜鉛を投入。
結晶がズルズルと亜鉛の上を滑っていきます。
これは硝酸鉛と亜鉛の組み合わせ。
結晶に注目したムービーもあります。
Beautiful Reactions: Crystallization on Vimeo
これは硫酸銅の結晶。
チオ硫酸ナトリウムの結晶。
酢酸ナトリウム。
この他にも化学物質によって花の色を変えたり、ガラス玉のような泡を発生させたりするムービーなどがあるわけですが、一方で化学反応のムービーだけでなく「物質の美しい構造」に着目したコンテンツもあります。
Quasicrystals
http://beautifulchemistry.net/s05_quasicrystals.html
ウェブページにある「Crystals of Nanocrystals(ナノクリスタルの結晶)」という項目をクリック。
ナノクリスタルは通常、立方体や四面体・八面体のような多面体が並んでできており、なぜ多面体が結晶に含まれているのかは現在研究されているところ、とのこと。
実際にナノクリスタルを構成する八面体を動かして左右からじっくり見ることもできるようになっています。
これは「Quasicrystals(準結晶)」の項目。1984年にダニエル・シェヒトマン氏によって発見された準結晶は、「第3の固体」と呼ばれています。これまでの固体は原子や分子が規則的に並ぶ「結晶」と、ばらばらに存在する「非結晶」に分かれていましたが、準結晶は「規則性があるものの周期性はない」という状態。多くの準結晶があまりに安定しておらず、欠陥も多かったため、発見には多大な労力が必要とされました。
準結晶は、ウェブページにある図をクリックすると結晶を発生させることが可能になっていました。
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