取材

「Fate/stay night」仕様のラッピングタクシーが生まれるところを見てきた


9月27日(土)にアニメイベント「マチ★アソビ Vol.13」が開幕します。2009年10月の第1回以来、ライブ・コンサート・トークショー・先行上映会のような「いかにもアニメのイベントらしい」企画からフォークダンス・ドッジボール・鬼ごっこといったものまで、いろいろなイベントを開催してきましたが、その1つとして、今回は2014年10月から放送が始まる「Fate/stay night」仕様のラッピングタクシーが作られることになりました。今回、その制作過程を見られるということだったので、タクシーを運行する徳島第一交通の営業所まで作業を見に行ってきました。

徳島第一交通株式会社
http://tokushima.0152.jp/

マチ★アソビ - Fate/stay night仕様の7台のラッピングタクシーの乗車予約が始まります!
http://www.machiasobi.com/events/sntaxi.html

マチ★アソビでは過去、2011年10月開催のVol.7で「Fate/Zero」ラッピングバスを、2012年10月開催のVol.9で「テイルズ オブ エクシリア2」ラッピングバスを走らせたことがありますが、タクシーにラッピングを行うのは始めて。

ラッピング作業に立ち会った徳島第一交通の代表取締役・浦川武夫さんにお話をうかがったところ、この企画はマチ★アソビで運行されたラッピングバスを見かけた浦川さんが「タクシーもラッピングができるのでは?」と声を挙げたのがきっかけ。第一交通は本社が北九州市にあるため、営業の人と一緒に説得を行って社内稟議を通し、実現にこぎ着けたものだとのこと。徳島第一交通ではこういったラッピングを行うのは初めてで、実際、お客さんがどういった反応をしてくれるのかはわからなかったものの、今年は四国霊場の開創1200年記念なので「お接待」の心で実施するとのことでした。

ということで、徳島市内にある徳島第一交通の営業所に到着。


ラッピングの対象は黒のクラウン コンフォート。徳島第一交通には黒・白・黄の3色の車両があるのですが、ラッピング用フィルムとどう合わせるかということを考えて黒の車両が選ばれたとのこと。


まずはフィルムを貼り付ける前に、ラッピングを行うボンネットとトランクをピカピカに磨きます。


続いてはラッピング用フィルムの位置確認。ラッピング作業でまず気をつけることはこの「位置を決める」というところで、ここできっちりバランスを取れば、完成したラッピングが美しいものになります。


ということでまずは士郎からラッピング開始。マグネットで貼り付け前のフィルムを仮固定し……


裏側の台紙を剥がして、貼り付け開始。


気泡ができないように中央から周辺部に向けて空気を抜きながら貼り付けていきます。


向かって右側を張ったら、次は左側。


縁の部分はギリギリまでカットした上で、裏側に折り返して貼り付けます。


反対側も同様。リアガラスに不気味な手がくっついていますが……


士郎の右手でした。バランス的に下の方を切りすぎるわけにはいかず、かといって手をカットしてしまうとちょうど令呪が見えなくなってしまってファンがガッカリするかもしれない……と考えた結果の職人芸です。


イラスト部分はボディとフィルムの境目がわかりますが、そうではない部分は黒いボディに黒いフィルムをピッタリと貼っているので、もとからフィルムが貼ってあるかのよう。


トランクのラッピングが終わったらボンネットへ。


ボンネットは大きいので士郎の手も問題なく入ります。


こちらも位置を決めたら台紙を半分剥がして……


キュッキュと貼り付け。


ボンネットはトランクよりも曲面が多いので、フィルムを伸ばしつつ丁寧に貼り付けていきます。このラッピング用フィルムは特殊な素材でかなり伸びるので、多少のカーブでも問題なく貼り付けられるのがいいところ。


半分貼り付けたら台紙をすべて剥がして……


残りを貼り付け。


微妙な出っ張り部分はフィルムが引っかからないようにカット。


ラッピングの仕上げはドライヤーで温風を軽くあてつつ、気泡をなくしていく作業。


士郎号の完成までに要した時間は約1時間でした。


続いて、セイバーのラッピングが始まります。


士郎の時と同様に位置を決めて貼り付けていきます。


2台目ということで慣れたのか、明らかに作業が高速化しました。


風が吹いてきたので、手早くボンネットに着手。


まさに「サッサッ」という感じで貼り付けが進みます。


セイバー号は作業着手から45分弱で完成。


職人さんたちは3台目のアーチャー号に着手。合計7台の作業が待っているので大変です。


出番待ちの言峰綺礼。


一方、完成した士郎号はこんな感じ。黒いボディにロゴと赤い令呪が映えます。


キャラクターが運転席側にいるので、町で見かけたときにうまく撮影するのが難しいかも。


こちらはセイバー号。


タクシーは9月27日(土)9時30分からマチ★アソビ Vol.13の開幕に合わせて阿波おどり会館前でお披露目式を行い、10時から走行を開始。乗車時は車両ごとに「乗車証明証」が発行されるので「絶対に乗りたい」という人は事前に徳島第一交通(088-654-8811)で予約を行った方がよいかも。予約の際は「どこから乗車してどこで下車予定か」を伝えると配車がスムーズに行われます。「このキャラクターの車両に乗りたい」という要望については対応する予定だとのことですが、調整可能かどうかは予約時に確認してください。


士郎、セイバー以外のラッピングがどんな感じになるのかはお披露目式をお楽しみに。


◆追記:お披露目式
9月27日に阿波おどり会館前でマチ★アソビ Vol.13のオープニングとラッピングタクシーお披露目式が行われました。


25日のラッピング作業では作業途中までしか見られなかったアーチャー号


ラッピング待ちだった言峰綺礼号も完成していました。


ランサー号


Unlimited Blade Worksなのでぜひ凛号に乗りたいところ


そして残る1台は桜号


運転手さんたちは普通のオッチャンたちなのでそこまで作品に詳しいわけではないのですが、待機中に凛号と桜号を並べて駐めていました。


タクシーは9時50分ごろに出発


風船で出発をお見送り


旅立っていくラッピングタクシー


運転手さんに話を聞いてみたところ「この車に乗りたい」という要望付きの予約も入っていて、特に士郎号と綺礼号の人気があるとのこと。徳島第一交通は基本的に「流し」でお客さんを拾うことはせず、規定の待機場所にいる形なので「予約はしないけれど、乗れるなら乗ってみたい」という人は徳島駅前や阿波おどり会館横のタクシー待機場所をのぞいてみてください。

ちなみに、マチ★アソビ Vol.9のときに製作された徳島市交通局の「テイルズ オブ エクシリア2」ラッピングバスも通常営業しているので、チャンスがあればラッピングバスとラッピングタクシーが出くわす場面も見ることができそうです。

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in 取材,   乗り物,   アニメ, Posted by logc_nt

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