思わず立ち止まらずにはいられない、人々をくぎ付けにした「ダンス信号機」
普段ならチラッと見るだけで目を留めることもない信号機が、突如リアルに踊り出すという街角オブジェが多くの話題を集めています。ある自動車メーカーが作成したダンシング信号機の様子とそのメイキング映像がYouTubeで公開されています。
The Dancing Traffic Light
この試みは自動車メーカーのsmart(スマート)が行ったもの。「スマートなアイデアがあれば街はもっといい場所になる」ことを狙って作成されたものです。普段なら無視されてしまうこともある退屈な信号が踊り出すことで、思わず足を止めてしまう人が次々と現れることになったそうです。
「誰だって、待つのはいやなもの」
いくら信号があっても、車道を横切る人は後をたちません。
多少クルマが近づいてきたぐらいなら、ものともせずに横断してしまう人もいます。
「信号の存在する横断歩道が、かえって一番あぶない場所になりかねません」
「しかし、もし『待つ』ということ自体が楽しいことになったら……?」
そんな試みで作られたのが「ダンシング交通信号」
棒立ち状態のいつもの赤信号が……
突如ノリッノリのダンスをキメ始めました
歩行者のみなさんも思わず見入ってしまいます。
そして広場には、サタデー・ナイト・フィーバーなあのポーズをキメる赤信号さんの姿。
巨大なボックスになっているようです。
中に入って……
建物の中で踊った姿がそのまま信号に投影される様子。
天井につかまってぶら下がったりしても……
見事にそのまま再生。
次々に多くの人がダンスと信号を楽しんだ様子です。
このダンス信号のおかげで、通常よりも81%も多くの歩行者が信号を守るようになりました。
そしてもちろん、自ら楽しんで信号を守っていたとのこと。
狙いどおりに信号を守ってもらうことができるようになったスマートな赤信号ですが、YouTubeではそんな信号のメイキング映像も公開されています。
Making Of: The Dancing Traffic Light
この信号で用いられているのは、LEDを敷き詰めて映像を表現できるパネル。
緑と赤の2色のパネルが用意された様子です。
数多くのデザインスケッチや……
マインドマップが作成されました。ここでは、開発に使われたであろう「Kinect」や「raspberry Pi」という文字を見つけることができます。
並べられたパネルの数々。2台で信号1台分のパネルと制御装置となっているのでしょうか。
2014年7月、深夜のポルトガル・リスボンの広場で建設がスタート。
手際よく建物の外壁が組み上げられていきます。
夜がうっすらと明けだしてきた頃、建物の箱が姿を現しはじめました。
外壁パネルを取り付ける作業員。
先ほどのLEDパネルが信号機に組み込まれています。
このように積み上げられるLEDパネルは……
巨大なマルチスクリーンとなりました。
すっかり日も昇り、広場には人々が集まりはじめます。
タブレットの画面でミュージックのジャンルを選択し……
ダンスなう!いい腰の入りっぷりです。
恰幅のいいオジさんや……
セクシーなお姉さんがダンスを繰り広げました。
じつに楽しそうなダンシング信号ですが、残念ながらリスボン以外で実施する予定は現在のところない模様です。
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