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論文執筆代行業を営むゴーストライターが実情を告白

By Sharon Drummond

大学受験で提出する論文や卒業論文は、書くことが得意な人にとっては大きな問題ではありませんが、苦手な人にとってはつらい課題の1つといえます。論文を何とか自分で書かずに済ませられないか、という学生の代わりに論文を執筆する業者が存在し、実際に論文執筆代行サービスを営んでいる男性が、その内情を明らかにしました。

I Ghostwrite Chinese Students' Ivy League Admissions Essays | VICE United States
http://www.vice.com/read/i-ghostwrote-hundreds-of-chinese-students-ivy-league-admissions-essays-897

Eunice Parkさんは過去3年間に350以上の大学入学申請用論文の代行執筆を請け負い、そのほとんどが裕福な中国人交換留学生からの依頼でした。論文を依頼してくる中国人交換留学生の共通点は、論文試験官をうならせるような、魅力のある文章を書けないこと。また、論文試験官が、入学申請用論文に何を求めているかを理解していない留学生も多かったそうです。

By Alan Cleaver

論文代行は依頼を受けてただ論文を書くだけではありません。大学入学に必要とされるレベルの論文を書くには、依頼者と面談することが絶対必要条件。1日かかることもある面談では、依頼者の生まれてから現在に至るまでのさまざまな話を聞き出します。

家族や資産の話などの他に幼少期に両親に隠していたことなどを面談で聞き出し、その中から「人間性」や「乗り越えてきた壁」といった、試験官の心情に訴えかけるような依頼者の経験をピックアップして論文のメインテーマに設定。

例えば、ある女性中国人交換留学生の場合、両親が幼少期に一緒に過ごす時間をなかなか作ってくれなかったため、当時は「両親が私の存在を嫌がっている。だから、いつも独りぼっちにさせるんだ」と思っていましたが、大人になるに連れて「両親は私に高いレベルの教育を受けさせるために、時間とお金を犠牲にしていた。私の幸せを一番に考えてくれていたんだ」と理解できた、という話をしてくれたとのこと。

By CIA DE FOTO

Parkさんは、この話に目をつけ、論文試験官の心に訴えかけるような論文を作成。その結果、女性は見事希望していたアメリカでトップクラスの大学に入学することができました。この女性の他にもParkさんが手がけてきた依頼者の中には、代行執筆してもらった論文で世界屈指の名門私立大学8校からなる連盟「アイビー・リーグ」に入学した人もいます。

論文代行の料金は、論文の文字数にもよりますが、約400ドル(約4万1000円)が相場で、2週間で2000ドル(約21万円)稼げることもあるそうです。料金の支払いは銀行振り込みではなく、記録が残らないように常に手渡しでやり取りされます。

By ark Belokopytov

論文執筆代行は違反行為ではないものの、倫理的観点から批判されることがあり、また、論文の提出先である大学にばれてしまうと、生徒が何らかの処分を受ける可能性もあります。日本でも論文や宿題代行業者は存在し、夏休みの終わる9月が近づくと宿題代行業者は大忙しになることも珍しくありません。

Parkさんは「論文代行を辞めよう」と幾度となく思ったそうです。その理由は、入学申請用論文のメインテーマになるような経験がない依頼者のために、自らの経験をメインテーマにすることがあり、自分の貴重な人生経験を他人の財産にしているような感覚に陥ることがあるから。しかしながら、自身の将来に何の希望も抱けないというParkさんは、論文代行の依頼が増え始める季節になると、再びPCに向かって他人の論文を作成するのでした。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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