Intelが超小型3G通信チップを開発、モノのインターネットの普及に拍車か
半導体メーカーのIntelは、「世界最小」とうたう超小型3G通信チップ搭載モデムユニットを開発して発売したことを発表しました。アンテナまでを含めた全てのパーツがモジュール化されたスタンドアローン型ユニットで、モノのインターネットの普及をさらに一歩進めるものとなりそうです。
World’s Smallest Standalone 3G Modem Aims to Make Large Impact on the Internet of Things - Technology@Intel
http://blogs.intel.com/technology/2014/08/worlds-smallest-standalone-3g-modem-aims-make-large-impact-internet-things/
新たに開発された3G通信モジュール「XMM6255」は幅およそ12mm×長さおよそ28mmという超小型サイズ。RFトランシーバとパワーアンプを1チップ化したSMARTi UE2pおよびベースバンドプロセッサのX-GOLD 625、RFデュープレクサーなどのチップを実装してモジュール化したもので、そのサイズは1セントコインとほぼ同じぐらいという非常に小さなものとなっています。
SMARTi UE2pには超小型のRFアンテナとパワーアンプを搭載。これを搭載したXMM6255モジュール単体(+バッテリー)だけで3G回線を利用したデータ通信が可能になるため、あらゆるモノがインターネットにつながる「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」の実現に役立つものとしています。
そのサイズ感を実感するために、iPhone 5sの写真と合成してみた写真がこちら。感覚的には標準サイズのSDカードが一回り小さくなったぐらいの大きさのようです。
画面に表示されたアイコンよりも小さなチップにアンテナを含めた機能が実装されているというから驚きです。この大きさであれば、スマートウォッチやGoogle Glassのようなスマートデバイスにも搭載が可能になり、Wi-Fi環境に頼らない常時インターネット接続が実現されることになりそう。
Intelでは、より小型化されたモジュールの実現により開発期間の短縮・製造コストの軽減が可能になること、さらに発熱の問題や過酷な環境下における確実性が確保されることで、モバイル機器やユビキタス機器にとって重要な安全性を実現することができるとしています。
このXMM6255は、Intelと提携を結んでいるワイヤレス半導体サプライヤーのu-bloxからSARA-U2シリーズとして販売されるとのこと。メーカーの発表によれば、3G/GSM回線などを利用してデータと音声の通信が可能となっており、最大通信速度は上り5.76Mb/秒、下り7.2Mb/秒であるとのことです。
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