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10年以上の待ち受けが可能な「超低消費電力PHSチップセット」をウィルコムが開発へ


携帯電話と比較して低い消費電力などが特徴のPHSですが、ウィルコムが新たに「超低消費電力PHSチップセット」を開発することを表明しました。

バッテリーで10年以上の待ち受けが可能になるという、驚くほどの長寿命を実現した同チップセットは、公共インフラなどの分野で活躍することが期待できそうです。

詳細は以下から。
WILLCOM|電池(2,400mA/3V)※1 3本で10年以上稼働するテレメタリング装置を実現する「超低消費電力PHSチップセット」の開発意向を表明

ウィルコムのプレスリリースによると、同社は既存のPHSベースバンドICの消費電流を削減することでMachine to Machine (M2M) ソリューションの通信インフラに最適化した「超低消費電力PHSチップセット」を、エイビットと協力して開発するそうです。


昨今は情報通信の高度化によって家電製品や自動車、自動販売機など、今まで通信機能を持たなかった機器や装置がネットワークに接続する「モノのインターネット(IoT : Internet of Things)」が発達しつつありますが、その反面膨大な数のものをネットワークに接続する際の電力消費についての考慮が課題となっていました。

そこで、ウィルコムはこの課題への解決策の1つとして、PHSベースバンドICの待受け時と無線動作時双方の消費電流を削減し、ネットワーク側を最適化することで2400mA/3Vの電池3本で10年以上の待受けを可能とする装置を実現する、「超低消費電力PHSチップセット」の開発を行うとのこと。

「超低消費電力PHSチップセット」によって、今まで消費電力が課題で実現が難しかった機器や装置への通信機能の搭載が可能となり、さらにインターフェースには標準的な「UART」と「GPIO」を搭載しているため、温度や湿度管理、水位計測、ウェザーステーション、位置情報端末、盗難警報・防犯装置、センサー・モニタリングなどへの利用が期待されるとしています。

利用イメージはこんな感じ。なお、現在PHSはLPガスや電力の検針、コピー機のコピー枚数集計、自動販売機の在庫情報管理、パーキング、証明写真機、エレベータ、カーナビゲーションなどに採用されています。


また、NPO法人「テレメータリング推進協議会」で標準化された、通信機能を持ったメーターの標準インターフェース「Uバス」にも対応するため、都市ガスやLPガス、水道におけるバッテリー駆動型の超低消費電力型テレメタリング通信システムへの利用も可能になるとされており、商品化は2012年4月を予定。

以前お伝えしたWiMAX対応の次世代自動販売機のように、機器に通信回線を組み込むことで得られるアドバンテージというのは確実にあるわけですが、「超低消費電力PHSチップセット」の製品化によって、かつてワイヤレスジャパン2009でウィルコムが展示していたコンセプト端末のようなモデルが実現するようになるのであれば、なかなか興味深いのではないでしょうか。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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