ハードウェア

超音波を用いたワイヤレス給電技術「uBeam」がほぼ実用化の段階に到達


ワイヤレス給電規格の「Qi(チー)」やノートPCまでをも充電できる「Rezence(レゼンス)」などの技術が続々と身近になりつつありますが、新たな技術として超音波を送受信することでスマートフォンなどの電力をワイヤレス給電できる「uBeam」が実用化間近の段階に入っています。

uBeam
http://ubeam.com/

Wireless Charging, at a Distance, Moves Forward for uBeam - NYTimes.com
http://bits.blogs.nytimes.com/2014/08/06/ubeam-technology-will-enable-people-to-charge-devices-through-the-air/

この技術を開発するベンチャー企業「uBeam」を立ち上げたメレディス・ペリー氏は現在25歳。以前はペンシルベニア大学で宇宙生物学の研究に携わっていたペリー氏ですが、ふとしたことをきっかけに電力を超音波に変換して送受信する技術に可能性を感じたことからさらなる技術開発の道へ歩みを進めました。

ペリー氏が立ち上げたuBeam社は2014年8月、初期プロトタイプとなるデバイスの開発に成功したことを発表。既存のワイヤレス給電のような電波ではなく超音波を用いている点が最大の特徴となっており、発表にあたりペリー氏は「uBeamは電話中でも、部屋中を動き回りながらでも充電が可能な唯一の技術です」とより広範囲にわたって電力を送り届けることができるというメリットを語っています。公表された充電ステーションは厚さ5ミリ以下というもので、壁掛けタイプとしても利用が可能。受信側のデバイスにもシート状のアンテナが取り付けられて電力を受け取るようになっています。


さらに、uBeamが持つメリットとしては、電力と一緒にデータを送受信することが可能という点が挙げられるとのこと。この技術を活用すれば、ありとあらゆるデバイスがインターネットに接続する「モノのインターネット」がさらに現実的なものになるとペリー氏は語っています。

一方で、超音波を用いるuBeamは壁などの遮蔽物に弱いというウィークポイントが存在していることも事実。そのため、ユーザーは必要な部屋の数と同じ台数の充電ステーションを用意する必要があります。

uBeamでは2年以内に市販を開始したいと考えており、まずは一般家庭向けの小型充電ステーション、そしてスタジアムや空港、ホテルなどの大規模施設向けという2種類の製品を提供する予定であるとしています。米Yahoo!のCEOであるマリッサ・メイヤー氏や大手ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)からも多額の資金を得ているというuBeamがどのように普及を進めていくのか、関心が集まりそうです。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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