「ペン・値札・懐中電灯」という3つの道具でマネジメントの極意を学ぶ
学校で習うようなマネジメントがインターネット上で多くのビジネスが取引される現代においてはまったく通用しなくなってきているため、Harrison Metalが「eBay」というオンラインマーケットプレイスにおける経験から得た新しいマネジメントの極意を、ペン・値札・懐中電灯で説明しているムービーが「Pen, Pricetag, Flashlight」です。
Pen, Pricetag, Flashlight on Vimeo
http://vimeo.com/97012707
もし、マネジメントが戦略・組織構造・マーケティングプランだけを作りだすのだとすれば製品は飛ぶように売れるはず。
マネジメントは、歯車につながれた車輪をハンドルで回す機械の構造にとてもよく似ています。
しかしながら、機械のようにいかないのがeBayというオンラインマーケットプレイスです。
eBayは1億人以上もの人々が集まり取引が行われる、カオスのような場所。
eBayは通常のビジネスマーケットとは違い、ハンドルを回しても車輪が動作しない、まさにコントロール不能の市場でした。
個人間で毎日多数のビジネスが成立しているのがeBay。
そんなカオスな市場をコントロールするのに、必要なのがペン・値札・懐中電灯です。
ペンはルールを設定するのに必要になります。
ペンで書かれたルールはeBayのようなハチャメチャな市場の構造を整備することが可能。
しかしながら、度を超したルールを設定するとペンが壊れてしまうこともあります。
ペンは設定したルール次第では市場を小さくすることができたり……
市場に混乱を招き、価格が急速に増加する原因にもなり得ます。
市場をコントロールするにあたって、ペンには非常に重要な役目がありますが、慎重に使わないといけません。
値札は、製品を購入することで顧客が得る利益に対して支払いを請求できるもの。
値札に書かれている値段は顧客に「価値」という信号を発信し、製品の出品者に新しいアイデアを発見させるメカニズムを教授してくれるとのこと。
値札は市場の動向を導き、分類し、そして管理するのに最適なツールというわけです。
値札より重要な役目を担っているのが、見えないものを見えるようにする懐中電灯です。
懐中電灯は、出品者と顧客の双方の意志決定によい影響を与える役目があるとのこと。
その一例がAmazonやAirbnbなどのサービスで見られる、顧客からの評価とフィードバックです。
見えないものを見えるようにする懐中電灯を使えば、カオスな市場をくぐり抜ける正しい道路を見つけられるというわけ。
しかしながら、大量の情報がユーザーからもたらされている場合、懐中電灯の役目が薄れることもあります。
そんな場合でも、ペン・値札・懐中電灯を正しく組み合わせて使用すれば、eBayのような市場をうまく乗りこなせるはず。
どれほど市場をコントロールしたいのか、どれくらい顧客の人間性を活用したいのか、そのバランスによってペン・値札・懐中電灯の使い方は変わってきます。
ビジネススクールで学んだことが通用しないオンラインマーケットプレイスでは、通常の市場と変わらない戦略やマーケティングプランを考えるだけでは生き抜いていけないので、ペン・値札・懐中電灯をうまく組み合わせるのがとても大事ということです。
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