取材

無料の航空自衛隊テーマパーク「エアーパーク」は有料でも構わないくらい魅力がいっぱい


静岡県の航空自衛隊浜松基地の隣にある「エアーパーク/航空自衛隊浜松広報館」は、1999年にオープンした航空自衛隊初のテーマパークです。館内には戦闘機やヘリコプターが展示されているほか、航空自衛隊の活動内容を深く知ることが可能で、その上入場料が無料とのことなので、実際に行ってきました。

エアーパーク // 航空自衛隊浜松広報館
http://www.mod.go.jp/asdf/airpark/

エアーパークは静岡県浜松市西区西山町にあります。


エアーパークに到着。


屋外にも航空機やヘリコプターなどが展示されていました。


こちらはナイキJ弾・発射機です。ナイキJ弾は全長12.5mで、発射機はナイキJ弾の下にあり、ミサイルの発射角度を設定するとのこと。ミサイルの射程距離は約130Km。


H21B 救難ヘリコプターは全長16.04mで全幅が2.45mです。


操縦席はこんな感じで、乗組員は2人となっています。


屋外の展示物を一通り見学して、エアーパークの入口に向かっていたら、東京オリンピックの五輪マークや1970年の大阪万国博覧会で空中展示を披露したF-86F ブルーインパルスを発見。屋外展示物を見ただけでも気分が高揚してきました。


高まる気分を抑えながら入館します。


入館料は無料です。


お土産屋さんもありました。


萌えキャラが描かれた乾パンや海軍カレーなるものが販売されています。


お土産屋さんを後にして、早速1階から見学スタート。


まず、目に飛び込んできたのは支援戦闘機のF-2。


戦闘機をこんなに近くで見る機会はなかなかないので、後ろからもじっくり見学します。


F-2の操縦席。


F-2の側には、F-2に搭載可能なミサイルが展示されていました。F-2には日本に上陸しようとする艦艇を食い止めたり、領空内への侵入機を迎撃したりなど、さまざまな任務があるので、F-2は多様な状況に対応できるように空対艦ミサイル・爆弾・空対空ミサイルを搭載可能。


機体だけではなく、F-2の特徴や使用されている素材などをパネルで説明してくれているので、戦闘機の知識がなくても存分に楽しめます。


F-2の隣には、真っ黒なボディが印象的な「心神」の基礎全機遷音速圧力風洞試験模型(縮尺1/14)を展示。


F-2はもともとXF-2と名付けられましたが、2000年6月末に全ての試験を終了し、F-2として同年10月3日に三沢基地の第3航空団に配備されたとのこと。


F-2を後にして順路通りに進むと、多くのパネルが展示されているスペースにやってきました。


こちらでは、航空自衛隊が一体どんな活動をしているのか、その全てを知ることができます。


地震や火山噴火といった災害時や……


船舶や旅客機事故の際に航空自衛隊がどういった活動を行っているのか、写真やムービーを見ながらその詳細を学べるようになっています。


支援や後方任務の概要といった、救難活動ほど派手ではないですが、重要な任務についても勉強できます。


パネルを読んでいるだけで「こんなことまで行っているのか」と、今まで知らなかったことを学習できるのは貴重な体験です。


また、航空自衛隊の活動以外にも、戦闘機にどういった役割があるのか、その詳細も写真やムービーで紹介。


要撃・支援戦闘機という2つのタイプの戦闘機の違いや……


世界中にあるさまざまな戦闘機などを紹介。


パネルが多数並んだ隣のスペースには、先に見たF-2の配備前に活躍していたF-1が展示されていました。


併設されている階段を登ると、操縦席の中をじっくり見学できます。


操縦席のシート。


戦闘機について一通り学んだ後に、戦闘機の実機を見学できるのはテレビやインターネットでは体験できないことです。


1階の一番奥でF-104J/DJ戦闘機に搭載されているJ-79-IHI-11Aというエンジンを発見。その大きさには驚くばかり。


エンジンの燃焼装置や排気タービンを見られる機会はなかなかないはず。


エンジンを後ろからのぞいてみました。


1階の見学を終えたら2階へ。


2階にはブルーインパルスコーナーがありました。


ブルーインパルスの美しい写真を堪能。


ブルーインパルスコーナーの他には、航空機の模型を展示。


円盤のようなものが機体に搭載されているのは早期警戒機。


こちらは航空機に搭乗する隊員の装備品です。


2階でひときわ目立っていたのがラインメタル対空20ミリ2連砲。


ラインメタル対空20ミリ2連砲の射程は2000m。


後ろからも見てみます。


ラインメタル対空20ミリ2連砲の向かいに展示されていたのは対空機関砲VADS。


対空機関砲VADSは基地防空のための最終段階を担当し、低空で侵入する亜音速機を捕捉・追撃可能な半自動独立火器システム。


対空機関砲VADSの下には射撃訓練中の写真が展示されており、その姿は衝撃的。


2階からは連絡通路を通って展示格納庫に行けます。


展示格納庫にはさまざまなタイプの航空機がズラリ。


戦闘機も展示されています。


こちらは、動揺シミュレーター体験コーナー。


動揺シミュレーター体験コーナーはエアーパークの中でも人気の高いアトラクションで、この日はすでに予約でいっぱいでした。


動揺シミュレーターが実際に動いている様子は下記のムービーから確認できます。

動揺シミュレーターで遊んでいる様子 - YouTube


展示格納庫では、無料でパイロットスーツの貸出を行っています。パイロットスーツを着用して航空機を見学できるというわけです。


パイロットスーツの利用は展示格納庫のみで、貸出時間は15分。


実際にパイロットスーツを借りてみました。


着替えは受付の奥にある更衣室で行います。


実際にパイロットスーツを着てみると、なぜかワクワクしてきました。


横から。


後ろ姿。


パイロットスーツを身につけて見学開始。


パイロットスーツは大人気で、記念写真を撮影している人も多数見受けられました。


こちらはT-1A ジェット練習機。T-1A ジェット練習機は日本で初めての国産ジェット機で、エンジン部分のみイギリス製のものを使用しているとのこと。


T-33A ジェット練習機は1990年秋まで航空自衛隊パイロット教育の基本操縦課程で使用されていました。


展示されている航空機の中には、実際に操縦席に乗り込めるモノもあり、その1つがF-1 支援戦闘機。


といことで操縦席に乗り込んでみることにします。


パイロットスーツを着用して操縦席に座るという体験は格別。


操縦席内部には見たことのない計器が並んでいます。


F-1 支援戦闘機を降りて上を見上げると、零戦五二型甲を発見。


もう一度2階に戻ってその勇姿を目に収めておきました。


航空自衛隊に所属する曲技飛行隊ブルーインパルスの初代機体のF-86F。F-86Fの操縦席にも乗り込めるようでしたが、来館した日は試乗を行っていませんでした。


F-86Fの向かい側で行列を発見。


行列を作っている人の目的はブルーインパルスの2代目機体であるT-2 超音速高等練習機。


T-2 超音速高等練習機は搭載されたスモークオイルが高温で燃焼することで、離陸時に炎を噴出するとのこと。


操縦席に乗り込んでみます。


F-1同様に操縦席には計器がズラリ。


どれが操縦の何に対応しているのかを知っていると興奮すること間違いなしです。


操縦席からは向かいにあるF-86Fが見えます。


展示格納庫にはMU-2といった救難捜索機も展示されていました。


こちらは救難ヘリコプターのS-62J。


ひときわ大きいのがV107救難ヘリコプターで全長25.4m。


V107の胴体部分は多くの人が搭乗できるようになっています。


航空機以外のJ-33といったエンジンも展示されていました。


展示格納庫を一通り見学したら3階へ移動。3階では航空自衛隊に関する書籍やビデオ、DVDを鑑賞できます。


また、「スカイラウンジ FUJI」という喫茶店が3階にあって休憩することも可能。


3階をウロウロしていると人がたくさん集まっているコーナーを発見しました。


こちらは簡易フライトシミュレーターで、子どもに大人気です。


ロビーに戻ってくると、受付に多くの人が並んでいました。


行列を作っている人は全天周シアターのチケットをゲットするために並んでいるようです。


全天周シアターでは航空自衛隊のムービーを鑑賞できます。上映は1日に6回で、それぞれ違う内容のムービーが放映されるので、見たい回がある場合は受付でチケット配布の時間を確認する必要があります。


今回は「大空の救援隊」の鑑賞チケットをゲット。上映時間が近づいたら2階にある全天周シアター入口から入場。


全天周シアターは満員御礼です。


天井全面に設置されたスクリーンで大迫力の映像を楽しめます。


これにてエアーパーク全ての施設の見学終了。見学時間は約3時間ほどでした。たくさんの航空機を見学できたり、パイロットスーツを着用したり、全天周シアターで大迫力の映像を鑑賞したり、エアーパークで楽しめることはたくさんあります。また、その全てを無料で体験できてしまうのはお得すぎると感じました。

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in 取材,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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