この世で最も高くつく「宝くじ」とは一体何か?
By John Carleton
2013年の年末ジャンボ宝くじでは1等前後賞あわせて7億円という史上最高額の当選金が設定され庶民は夢をかけました。一方、海外に目を向けると、2013年5月に史上最高金額の5億9050万ドル(約600億円)の賞金が出たアメリカのPowerballなど日本とは桁違いに高額の賞金がかかった宝くじもあるようです。しかし世の中には、Powerball以上に高額の賞金が保障されるものの、時には人生すらもかけて購入する必要がある「宝くじ」が存在するようです。
The most expensive lottery ticket in the world | Felix Salmon
http://blogs.reuters.com/felix-salmon/2014/04/21/the-most-expensive-lottery-ticket-in-the-world/
シリコンバレーの住人は、誰もが例外なく「起業」して成功することを望んでいます。これは他の地域に比べても強い傾向にあるとのこと。その理由についてロイターのフェリックス・サーモン氏は、「シリコンバレーにはあまりにも成功があふれているように見えるから」としています。
シリコンバレーの多くの人はIT関連企業で働いており、自分の会社や他の会社が巨額の利益を挙げるのを常日頃から見ています。そして、その会社の創業者が巨万の富を得る光景を目の当たりにしています。そのため、自分もいつかは起業して成功したいと望むようになるのもごくごく自然なことと言えるそう。しかし、目に入ってくるのは「極めて限られた」成功例だけであり、失敗例は人知れず表舞台からひっそりと姿を消していくものなので誰の記憶にも残らず、あたかもシリコンバレーは成功で満ちあふれた世界のように感じてしまうものだとのこと。しかし、シリコンバレーのスタートアップ企業の90%は失敗するもので、成功例の裏にはそれよりもはるかに多い数の失敗企業があることはいつも忘れられがちです。
シリコンバレーには名声を得た起業家が数多くいます。Appleのスティーブ・ジョブズしかり、Microsoftのビル・ゲイツしかり。シリコンバレーで働くほとんどの人は、このような伝説的な成功者になりたがっているもので、Googleの社用バスでゆられて毎日オフィスに通うことに満足していません。そして、非常に優秀なエンジニアの多くが伝説的な成功者を夢見て独立起業の道を選び大企業を離れていきます。
By Joi Ito
しかし、優秀なコンピュータエンジニアが良い経営者であるとは限りません。サーモン氏によると、皮肉にもその逆、つまりエンジニアとして優秀であればあるほど、経営者として優秀では有り難いものだそう。優秀なエンジニアが得意なことは「目の前の解決すべき問題を解決すること」ですが、スタートアップ時の混沌の中で起業家に最も求められているのは「才能ある技術者やエンゼル投資家を惹きつける能力・魅力」であり、これを優秀なエンジニアが身につけているとは限らないからです。このような現実を見つめた場合、「起業家の人生は悲惨にあふれ、技術者の人生はお金に換算できない幸せにあふれている」とサーモン氏は述べています。
By Gilbert Rodriguez
とはいえ、シリコンバレーで起業することに大きな意味があるのも事実です。なぜならシリコンバレーで成功すれば、巨万の富を得ることは現実的であるから。しかし、その道が険しいイバラの道であるのは前述の通りで、過酷である代わりに得られる対価が桁違いに多いということです。すなわち、シリコンバレーでの起業とは、ある意味で「安定した給与や人間らしい生活と引き替えに、巨万の富を得られる宝くじのようなもの」と言うべきで、得られるリターンの大きさを思えば、「世界で一番の高額当選金がかかった宝くじ」というわけです。
得られる金額の多さと裏腹の低い期待値ゆえに「最高のギャンブル」と言うべき宝くじで、一発逆転を期するギャンブラーは多いもの。その最高のギャンブルである宝くじで最高の当選金を得るために、時に人生すらも賭け金として投じて勝負に出るのがシリコンバレーの起業家というわけです。もっとも、サーモン氏によると、シリコンバレーで一旗揚げようという"ギャンブラー"に、巨額の資金を投じる投資家も同じく"ギャンブラー"であるとのこと。シリコンバレーは、このような"ギャンブラー"たちを惹きつけてやまない"世界最高のカジノ"と言えそうです。
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in メモ, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article What on earth is the most expensive "lot….